Mumdance - Take Time

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  • MumdanceことJack Adamsは、強力なダンス・トラックでありながら同時に、いかにクリエイティブになれるかということを証明しながら、着実にイギリスのクラブ・ミュージックの限界を押し広げている。今年の作品"It's Peak (Club Mix)"は、つんのめるようなコードが、リズムの隙間をスキップしていくトラックで、トラックを解体するというアプローチをとっていたが、そのアプローチは『Take Time』にて完成を迎えている。Adamsの最新作である本EPは、おそらく、Rinseからリリースされたものの中で最も変なトラックだろう。安定したグルーヴが取り払われたトラックは、Logosの『Cold Mission』のような催眠性を伴った空間の中を漂っている。(LogosとMumdanceは頻繁にコラボレーションしている。) "Take Time"では、NovelistをMCに迎えることで、どっしりとした印象を生み出している。宇宙時代のグライムとも言えるサウンドやハイハットの周りを、この若きMCは完全にリラックスした状態で動き回っている。Adamsによるサウンドは、まるで、Novelistをアクセントごとに追いかけているような即興性を感じさせる。これは、奇妙な直感に従ったリズムを構築するセンスをAdamsが持っていることの証だ。"The Sprawl"は、ドアを叩きつけるサウンド、レーザー音、レコードの逆回転サウンドなどを用いたストップ・モーション・サウンドが見事に混ざり合っており、ハイハットと削岩機のようなドラムのみによって各素材をグルーヴとしてまとめ上げている。このようなトラックは上手く成立するはずがないと思っていたが、トラックの最後で、傷が入ったCDのように音飛びし始めたとき、ホワイト・ノイズによる突風によって、凄まじい衝撃をもたらしている。このトラックを落ち着かせたバージョンと言えるのが、Spyroによるアシストの元、生まれた"Don't Get Lemon"だ。ぐらぐらとした足場の上を、不安定に動きながら、ブレイク部分へと消え去っていく。全く別の曲から持ってきたかのような煌びやかなブレイクだ。ぎりぎりのところで成り立っているこのトラックは、不安定であることこそ、Mumdanceが短い期間で作り上げようとしているトレードマークであることを物語っており、この点こそ、彼を、一貫して独創的な現行のUKプロデューサーの1人にたらしめているものだろう。
  • Tracklist
      A1 Take Time feat. Novelist A2 Don't Get Lemon B1 The Sprawl B2 Take Time (Instrumental)