Todd Terje - It's Album Time

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  • 2004年の出世作"Eurodans"から9年、Todd Terjeが遂にデビュー・アルバム『It's Album Time』をリリースする。タイトルに漂うばつの悪さや、Bendik Kaltenborn(英語サイト)によるぶっ飛んだカバー・アートから察するに、『It's Album Time』はTerjeのキャリアを通じて彼が影響を受けてきたものを網羅する素敵な音旅行だという表現が相応しい。60分間のアルバムを通じて、ゆるく仕上がったラウンジ・トラック、リラックスした雰囲気のファンキーなジャズ、壮大なイタロ・トラック、そしてべっとりとしたピアノ・サウンドによるフロア直系のハウスが収録されている。豊かなサウンドが繰り広げる力強い音旅行の中にこうした要素が全て織り込まれており、時折、立ち止まって呼吸するのも難しく感じるほどだ。 『It's Album Time』には、"Strandbar"、"Inspector Norse"、そして"Swing Star"のパート1、2など、この数年におけるTerjeの最高作全てが収められている。イントロに続く"Leisure Suit Preben"での半分酔っ払っているかのようによろめくピアノ・ジャズは、まるでアルバムのカバー・アートそのものだし、馬鹿げたユーモアに満ちた "Svensk Sas"は、北欧サルサの腰のスイングを思わせる。一方、"Alfonso Muskedunder"は、ジャジーなドラム・フィルと目も眩むほどのスキャットによる遊び心に溢れたワルツなナンバーとなっている。Vangelis風の壮大なトラック"Johnny And Mary"はBryan Ferryをゲスト・ボーカルに迎えたRobert Palmerのカバーであり、再び盛り上がりを迎える前の一休憩をアルバム中盤に提供している。 Terjeの最新ヒット作のようなアンセム・トラックを探している人にとっては、その期待に応える新曲は数曲しか収録されていない。そのうち、"Delorean Dynamite"は鼓動するアルペジオからスタートしオリンピック開幕のようなメロディが次々と滑り込んでくるトラックだ。最近のTerjeといえば、ピークタイムを悦びに満ちた空間に変えるトラックが評判だが、本作では"Old Joy"が最もそれに近いものだろう。くるくると回るシンセサイザーのメロディが蛍光色に輝きながら吹き荒れるアルペジオへと進化した後、リズムが満を持して飛び込んでくる。こうした素材がアルバム全体中で用いられていることを考慮すると、『It's Album Time』のみを単独で評価することは難しい。しかし "Delorean Dynamite"や"Johnny And Mary"、そして"Old Joy"のようなトラックには、確かにリスナーを満足させ続けるための壮大な広がりがあるし、最終的に本作を再び聞くことになったとき、それまでに何が新鮮で、何がそうでなかったかと感じていたことは、重要ではなくなるだろう。僕らはただTerjeに夏の魔法をかけてほしいだけなのだ。その都度、何度も違う方法で。
  • Tracklist
      01. Intro (It's Album Time) 02. Leisure Suit Preben 03. Preben Goes To Acapulco 04. Svensk Sås 05. Strandbar 06. Delorean Dynamite 07. Johnny And Mary feat. Bryan Ferry 08. Alfonso Muskedunder 09. Swing Star Part I 10. Swing Star Part II 11. Oh Joy 12. Inspector Norse