Phil Kieran - Going There

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  • Phil KieranがHotflushからリリースするなど、2007年に誰が予想できていただろうか。いずれにせよ、しっかりとキャリアを積んでいる歴としたプロデューサーである彼はハウスの音楽性に磨きのかかるHotflushの次のステージに相応しい存在だ。しかし、実際のところ、Kieranは自分の得意ではない分野で何とか形にしようと頑張っているように聞こえる。すなわち、今回収録されたオリジナル・トラックの2つは想像力に欠けているということだ。"Going There"では最近のJimmy Edgar作品と瓜二つなぶくぶくとしたグルーヴが展開している。十分に心地いいトラックではあるが、気ままなボーカル・サンプルと気だるいピアノがしれっと用いられているあたりはまるで、最後の最後になってメロディが必要そうだから付け足したかのように感じる。一方、分厚くリミックスを仕上げてきたRichy Ahmedによってトラックは救われた感がある。ピアノのサウンドを用いて力強く再構築しており、それに合わせてエア・ピアノ(ピアノを弾いている振り)をやってしまう人が出てくるかもしれない。 "Getting Away"は面白い作りになっていて、自由に漂う素材と弾むサウンドはBjorkの"Human Behaviour"を彷彿とさせる。しかし"Going There"が分かりやすいトラックだった一方、"Getting Away"では多くのパーツを一切つなぎとめるものがなく、トラックがバラバラになってしまっている。パーカッシブなトリップ・ホップへと作り変えたRyan Elliottによるリミックスはいつもとは違う雰囲気だが、このリミックスも同様、2、3分経つ頃には聞く気が失せてくる。
  • Tracklist
      A1 Going There A2 Getting Away B1 Going There (Richy Ahmed Remix) B2 Getting Away (Ryan Elliott Remix)