General Ludd - The Fit Of Passion

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  • アメリカのRich McMasterがイギリスのTom Marshallsayと最初に共同制作をしたのは、サウンド・インスタレーションのためだった。2人がGeneral Ludd名義としてデビュー作となる12インチを発表した際、このことに気付いた人はいなかっただろう。このリリースはMister Saturday Night(MSN)における多くの作品同様、テクノの要素をグルーヴににじみ込ませたラウドなハウス・ミュージックであったし、一風変わった感覚がそこにはあった。今回「The Fit Of Passion」で2人がやっているのはクリシェを新鮮で面白いものにしているということだ。 ディスコティックな粘つくベースラインが土台を作り上げている"Woo Ha"。鞭打つようなモーションによってトラックは快楽に溺れているかのようなボーカルのうめき声とコードへと促される。そうした混沌に唯一、追加されるのはブロック状に形作られたシンセ音上で深い響くディレイだ。これはMSNのレジデントが土曜のアフタヌーン・パーティーでプレイしていそうなサウンドでもある。これ以上サンプリングの仕方があるのかというほど幾度となくサンプリングされてきたSoul Childrenのトラックが"Brothers and Sisters"では用いられている。このサンプリングで最も記憶に残っているのはDJ Sprinklesの"What Is This World Coming To?"だろう。さらにGeneral Luddの2人はこのDJ Sprinklesのトラックで聞くことの出来る似たようなエフェクト処理も行っている。ディープ・ハウスのクリシェを逆手にとって、ジャジーなローズ・ピアノが不安かつ孤独に響いているほか、躍動感を生み出すトライバル風に仕立てたリズムが積み重なっていくところなど、非常に上手く仕上がっている。
  • Tracklist
      A Woo Ha B Brothers and Sisters
RA