Container - Adhesive

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  • ContainerことRen Schofieldはノイズ‐テクノ作品を長きに渡って生み出し続けており、2011年にはSpectrum SpoolsからLPをリリースした際には多くの評価を獲得した。しかし「Adhesive」では彼の音楽は新たなステージに達している。簡潔ながらも効果的なアグレッシブ性に満ちたステージだ。その昔、彼はゆっくりと燃え上がるキケンな魅力に溢れるアシッドトラックを制作していたのだが、今回、収録された4つのトラックはダーティーでドライなサウンドになっており、この猥雑で鋭いサウンドはダンスフロアを混乱に導くことだろう。 昨年発表されたビートが吹き荒れる怪物トラック"Saturated"(英語サイト)にて既にこの変化の兆候は表れていた。このトラックと同様に冗談のようなリズムと眩暈を起こしそうになる3/4拍子的にループしていく"Glaze"。このダメージ加工を生み出している脳を掻き毟しるテクスチャーが使われていなければ、マイアミ・ベースとそれほど変わらないのではないだろうか。他にも過激な方法かつコンパクトな構造によってSchofieldは見事なトラックを仕上げている。"Slush"では密室に閉じ込められ圧迫感に押しつぶされそうになりながらも驚異的な熱を含んだテクノ・ループへと発展し、再び閉じ込められる。"Adhesive"のブレイク部分は一見、機能的に感じるのだが、まるでこの世の終わりに行われるウェアハウスでのレイブをiPhone上に収めたかのようなサウンドになっている。多くのSchofield作品同様、ノイジーな素材を用いているにも関わらず、彼は全てを完璧にコントロール出来ている。激情に任せたようなビートダウン"Complex"はおそらく数多の作品の中でもベストのものだが、激しく競争的なシーンを勝ち抜く必要があるだろう。
  • Tracklist
      A1 Glaze A2 Slush B1 Complex B2 Adhesive
RA