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  • ミニマル・ハウスは最盛期を過ぎてしまったジャンルかもしれない。しかしまだまだ多くの人は情熱を掲げている。Baby FordとZipの2人はこのミニマル・ハウスという音楽における重要人物だ。Baby Fordはソロ作はもちろん、Thomas MelchiorとのユニットSoul Capsuleでの"Law Of Grace"や"Lady Science (NYC Sunrise)"といったアンセムなど、このジャンルにおける最高傑作をいくつも制作している。ZipはMarkus Nikolaiと共にPerlonを主宰する1人であることは周知の事実だ。Perlonは00年代における最も象徴的なアンダーグラウンド・レーベルの1つであり、Mathew JonsonからRicardo Villalobosまで時代を彩る作品を発表してきた。数年ごとにBaby FordとZipの2人は共同制作によって作品を発表しているが、このことはZipにとって非常に稀なことである。彼らの最新作にあたる「Uff」がBaby FordのレーベルTrelikからリリースされる。彼らが創出してきたこびへつらう姿勢のないサウンドを良く表している作品だ。 "So They Say"は緻密に作りこまれたアフターアワーズ仕様のトラックだ。まるで大理石から捻じり出されてきたかのような波打つグルーヴとドラムは間違いなく彼ら2人が最も得意とするところだ。"Uff"はバージョン違いで2つのトラック、Melchior Productions Ltdがエディットしたものと、若干、印象の薄い"Uffapella"が収録されている。シュールなアレンジメントによる気だるい雰囲気のアンサンブルはいかにもZipらしく、勢いの欠いたビートを補うように付け加えられている。遠くでサウンドが轟き、スタジオの空気感と共に言葉にならない言葉が「Uff....eeeaah」とドラッギーに呻いている。もしかしたら時代遅れに聞こえるという人がいるかもしれないが、それは論点がずれていると言わざるを得ない。TrelikとPerlonから発表される作品の多くは年代に相応のサウンドだからだ。個人的に彼らの作品は好きだが、本作は少しばかり殺風景過ぎるようだ。
  • Tracklist
      A1 Uff (Melchior Productions Ltd Edit) A2 Uffapella B1 So They Say B2 Uff