SSOL - SSOL 001

  • Share
  • ディスコのビッグ・チューンをカットアップしてハウスのビートと組み合わせるということは、オリジナリティに欠いたダンス・ミュージックであるということと同じだ。ジャズのスタンダードに対しても同じことが言え、例えば、Miles Davis『A Kind Of Blue』をハウス・ミュージックで用いれば、両手を突き上げて喜ぶファンがいるのではないだろうか。今、こうした類のことをやろうとしているなら、かなり上手くやる必要がある。おりしも、今回、SoundstreamことFrank Timmは、この点を上手くこなすことが出来なかった。彼が使い古された素材を使用した場合、どういう結果になるのかということが明らかになった。 新しい名義、SSOLとして、TimmはInstant Funk"Got My Mind Made Up"やSkyy"First Time Around"をカットアップしている。両曲共に、今でもなお崇拝されているレーベルSalsoulからリリースされたディスコの定番曲だ。後者の場合、Kenny Dope、Larry Levan、Mike Delgado、Tim Deluxe、そしてJohn Moralesなど、これはほんの一部でしかないが、多くのプロデューサーによって使用されている。今回、Timmのアレンジメントはそれほど特筆するほどではない。彼は単にトラックの素材をループさせて1小節のファンキーなグルーヴを形作り、1番目の歌詞の一部を切り取っているだけだ。しかし同時にリズム隊の生々しさ、特にハイハットが畳み掛けてくる部分によって、愛らしいというよりもタフなエネルギーがトラックに幾分か注入されている。逆面も革新的なものであるとは言い難い。どこにいて手に入るディスコ・クラシックの一部をループさせただけだ。しかも、何百万枚と売り上げるヒップホップ・アクトであるDe La Soulによって誰もが知るようになったクラシックをだ。とはいえ、威力抜群のドラムによって、一般レベルよりも素晴らしくはなっている。もっと謎めいたサンプルを用いてTimmが制作している音楽が持つ眩暈を起こしそうになるほどの高みに本EPが到達しているとは感じない。しかし、彼はこの類の音楽の原則に則って、その他多くの作品よりも素晴らしく仕上げているのは確かだ。
  • Tracklist
      A Track 1 B Track 2
RA