DJ Koze - Amygdala Remixes

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  • DJ KozeがリミックスしたMatthew Herbertの"It's Only"のあの完璧さを考えると、この2人の名前がクレジットされているレコードを他にも見かけた人は、それがどんなものか気にならずには居られないだろう。今回のリミックスEPが素晴らしいのは、オリジナル音源が2013年の最高傑作アルバムの1つ、Koze『Amygdala』であるということだ。そして、Matthew Dearをフィーチャーした"Magical Boy"のリミックスをHerbertが手がけているとくれば、強烈なインパクトがある。 しかし、そうした期待を膨らまし過ぎているせいか、Herbertのリミックスの序盤を聞いて思うのは若干、迫力に欠けているということだ。Kozeによるオリジナルの要素を用いつつも、Herbertは優雅に響くストリングスやパーカッションによる装飾を施し、Mathew DearのボーカルをシンガーであるRahelのテイクと入れ替えており、確かに魅力的で美しく仕上がってはいるのだが、感情に訴えかけてくるものではない。しかしながら、後半にかけての展開を通じて各要素が1つのロープのように太く編み込まれていくにつれ、トラックは徐々に重厚さを増していく。オープニングの長閑な空気から転じてダークに進行していき、重低域がひしめき始め、本トラックが10分以上の曲長であることを忘れてしまいそうになるほどの高揚感を生み出している。そしてRahelが次第にフリーキーに歌い上げる、「Its's magical! / 魔法のようだ!」と。 Efdeminによって大きく駆け巡っているかのようなバージョンとなった"La Duquesa"は決してヘッドラインを飾るようなトラックではないだろうが、Kozeのオリジナルをディープかつ低空飛行するかのように仕上げたこのトラックにも、同様のトリックが仕掛けられている。前述のアルバムを頻繁にスピンしている人なら、重低域が忍び寄りながら唸る中に、今にも消えてしまいそうなほどではあるが、微かにオリジナルトラックの要素が見え隠れしていることに気付くだろう。Efdeminはそうした要素をマシーングルーヴの上に散りばめており、機械的で冷たい空気に徐々にヒトの温もりを注ぎ込んでいるのだ。本作では、この三者による作品の中でもトップレベルにあたるエモーショナルなプロダクション処理がなされている。
  • Tracklist
      A Magical Boy (Matthew Herbert's Not 'til It Stops Mix feat. Rahel) B La Duquesa (Efdemin's Cose Cosi Mix)