CTEPEO '57 - The Missouri Breaks EP

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  • 新しく結成されたデュオCTEPEO '57は、これまで活動を敢えて公表していないようだ。もしくは少し馬鹿げているのかもしれない。この2人組は今でこそ匿名で活動することにしているが、以前には様々なプロジェクトに関わってきている。両者共に1950年代のカルチャーを愛し、Marlon Brando関連の記念グッズの膨大なコレクションを所持している。彼らによると冷戦は終結していないし、ロシアの宇宙飛行士は90年代後半に既に火星に到着しているらしい。 音楽が大して魅力的ではなかったとしても、こうしたスタイルや文脈を固執して利用することで、それをカバーしていることがある。こうした見方を彼らのレビューEPに無理やり当てはめるのはフェアではないかもしれないが、「The Missouri Breaks」は特別、世間の注目を集めるものであるとは言えない。その中でも最良の出来である"Mono 66"では、くるくると旋回するビンテージシンセのサウンドが重厚なビートやサウンドの中に深く埋もれたボーカルサンプルと一緒にブレンドされ、"The Missouri Breaks"は陽気なムードで展開し、テープのヒスノイズ、古い映画のサンプル、そして昔のシンセのようなおぼろげで奇妙な響きが渾然一体となったかのようなレトロな感覚が漂っている。"Sputnik I"は若干、趣きが異なっており、カットアップされたサンプルと突然バランスを崩したかのようなリズムがインストもののヒップホップの雰囲気を醸し出している。教科書通りの50年代のキッチュな感覚が本作全体を通じて漂ってはいるものの、"Sputnik I"でのアプローチはCTEPEO '57がそれだけでは終わらないアイデアを持っている可能性を示唆している。
  • Tracklist
      A The Missouri Breaks B1 Mono 66 B2 Sputnik I
RA