Pearson Sound - HES026

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  • Pearson Soundの音楽はリズム主体で精密に制作されたクラブ向けのトラックかもしれないが、所謂、機能性に溢れたDJツールとは一線を画している。彼がRamadanman名義の時代から磨き続けているスタイルはダブステップ、ハウス、そしてテクノといった音楽の間にある面白い場所に位置し、僅かな試みにも関わらず恐ろしいほど多くのことを成し遂げている。 Hessle Audioの最新作の幕を開けるのは"Lola"、指を鳴らしているような音がテンポ良く使用される中、飛び散るようなスネアと荒々しいキックがリズムの軸を作り上げ、そこに的確なパーカッションとグライム的なシンセのループが用いられることによってこのミニマルトラックは成り立っている。"Power Drumsss"のスネアパターンは目を見張るものがある。そのパターンが中心となり、ぼろぼろに腐食したシンセコードと水中深くで鳴り響いているようなキックがざらついた質感へと変化していくアレンジメントがニクい。最後に収録された"Starburst"はかつてのPearson Soundらしいトラックだ。力強いジャングル的ドラムパターン、冷やかなストリングスがモノトーンなシンセサウンドと組み合わされる。本作は引き算の作品であることは確かで、ここに何か付け足そうとしたならば、ただ五月蝿くなってしまうだけだろう。
  • Tracklist
      A1 Lola A2 Power Drumsss B Starburst
RA