Various - Soundtracks For No Film Vol.2

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  • Acido Recordsから謎に満ちたアーティストが多くリリースしているが、その中でも291outは最も興味をそそる存在かもしれない。イタリア人によるこのプロジェクトは今年のはじめ、ミニコンピレーション「Soundtracks For No Film Vol.1」にて初登場し、きらきらと鳴り響くギターサウンドをフィーチャーしたハウストラック"Urania (Titoli Di Coda)"にて注目を集めた。「Soundtracks For No Film Vol.2」では簡潔ながらも斬新な6つのトラック(中には1分間ほどしかないものもある)を収録し、291outの音楽性をさらに深く紹介している。 "Ovest"、"Il Viaggio"、そして"Inside You"でのギターワークはプログレッシブロックの要素を感じさせるもののTortoiseやDurutti Columnのようなバンドを彷彿とさせる。"Workin' Glam (Bop Singlayer)"は脱力系のイタロ風のトラックで、"Automobil Club Lugano"にもそういった雰囲気がある。その中でもベストは"Emptyness"だろう。たった3分の間に膨大な数のアイデアが詰め込まれている。うめくようなアンビエント音からトラックはスタートし、直後にギター、紡ぐようなシンセのメロディ、そして最後にはダークな映画のサウンドトラックのような悲しげなリードピアノがそこに続いていく。こうした音楽性はNicolas JaarによるユニットDarksideが追求しようとしているようなスタイルではなく、もっと自然で節度があるものだ。 Bサイドでは一転、Acidoらしいサウンドへと展開しており、レフトフィールドなテクノトラックであるHealing Force Projectによる"Opium"を収録。2010年に同レーベルよりリリースを果たしていることで彼らのことをご存知の方も居るかもしれない。ダークかつ緻密、そしてサイケデリックなこのトラックでは、一見、即興の様に感じるドラムが心地良いホワイトノイズを揺らしている。両サイドでそれぞれ内容が異なってはいるものの、両サイド共にAcidoの代名詞ともなりつつある音楽の在り方に対する大胆なアプローチを兼ね備えている。
  • Tracklist
      A1 291 out - Ovest A2 291 out - Il Viaggio A3 291 out - Inside You A4 291 out - Workin’ Glam (Bop Singlayer) A5 291 out - Automobil Club Lugano A6 291 out - Emptyness B1 Healing Force Project - Opium
RA