A Made Up Sound - After Hours / What Preset

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  • Dave Huismansはこれまで一度もリスクを犯すことから目を背けたことは無く、今年に入り、完全に新たな領域に挑んでいる。まず1月、「Ahead / Endgame」ではテクノ〜レイヴが持つ動力を、物議を醸し出すほどの極度な形へと押し上げた。その続編となる本作は同様に大胆な内容だが、全くもっと異なる方法によって成り立っている。HuismansによるAMUSおよび2562両名義ほとんどの作品を定義づけるあのゾワゾワするほどのグルーヴは姿を消し、代わりに転がるような三拍子のグルーヴが採用された。そして無駄なく磨き上げられた構造により彼の作品は使用頻度の高いDJツールとなっていたが、その構造も、じわじわと迫り来るキケンな魅力と共に展開するライブセットを思わせるアレンジメントにより置き換えられている。 収録曲2トラック共に素晴らしいが、"After Hours"は実に素晴らしい。図太いキックとタムによるグルーヴが12分間、眩暈がするほど延々と跳ね続ける。これはダブワイズされた偏執テクノだ。薄暗い地下のクラブでのスカンクセッションに対するサウンドトラックと言ってもいいかも知れない。真のスモーカースタイルにおいて、重要となっているのがサンプリングされた映画のセリフで、Scoreseseよる同名の映画から引用されている。しばらくすると、不安に満ちた会話(「彼女に何をしたんだ?」「何もしていない。彼女は寝ていたんだ...」)はゆっくりと消えていき、ジットリと重苦しい世界観へと再び展開していく。"What Preset"は疾走感の増した仕上がりになっており、執拗に迫り来るこもったベースラインはShackletonを思い起こさせる。中盤に挿し込まれるピッチを変化させたコードサンプルはHuismansらしさが最も出ている部分だろう。これにより息が詰まりそうな景色の中に幾ばくかの外の世界からの空気が流し込まれている。しかしトラックはそこから行き場を失い、ガーゼのようなハイハットと空間を埋め尽くすブリープシンセの中で延々と漂い続ける。しかし、このドラッギーかつ行く当ての無い感覚はおそらくHuismansの狙い通りの結果なのだろう。
  • Tracklist
      A After Hours B What Preset