Wareika - Madame Scorpion

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  • ライブダンスミュージックのライブアクトはかつて無く数が増えているが、実際にその音楽でダンスできるかということをWareikaは意識していなかった。彼らの音楽は、ルードなホーンセクションとピアノリフが波打つ中、至極シンプルな4つ打ちのリズム上を展開するもので、特にアルバム作品においては、ダンスフロアとの関連性をわずかにしか感じさせない内容である傾向が多かった。しかしVisionquestからリリース予定のアルバムからの第一弾シングルとなる本作は、深夜のサウンド(ダンスミュージック)に対する新たな見識を示唆している。 遠方で鳴るストリングスにトランペットがちらつきながら重なっていくものの、多くの生演奏の要素が取り除かれた"Madame Scorpion"。その代わりに、しっかりとフロアに照準を定めたドラムパートの上をベースラインが鼓動する様は、まるで緊急事態で深夜、大きく駆け巡っているかようだ。過去の作品と比較して、非常にエレクトロニックの要素が強いトラックで、ギラリと黒光りするマシーンサウンドが満載だが、少しばかり人工的過ぎる。整いすぎているし、尖った感じがないし、"Barracuda"のような心を惹きつけるような個性にも欠けている。 しかしながら、それら全ての要素もHenrik Schwarzがリミックスするにあたっての音素材としては完璧なものになる。オリジナルバージョンが隠し持つトリルサウンドに着目し果敢なアレンジを施したSchwarzのリミックスでは、重厚なベースリフへピアノラインが押し寄せていく。幾重にも光輝きながら高く舞い上がるシンセリフに包まる中、彼は全要素を用いているが、オリジナルから劇的に変化しているわけではない。美女コンテスト出演者のように豪華絢爛で、オリジナルの次いで、申し分なく大箱仕様となっている。
  • Tracklist
      A Madame Scorpion feat. Derek Kamm B Madame Scorpion (Henrik Schwarz Remix)
RA