Stingray313 - NKKtwo_2 / NKKK4_2

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  • デトロイトのSherard IngramはUrban Tribeの提唱者として最もよく知られているが、同時に彼は数多くの名義を持ち、ここしばらくのあいだはポストDrexciya的なエレクトロやテクノを手掛けている。さまざまなトレンドが現れては消えるなか、Ingramのサウンド・アプローチは一貫性をキープし、常に説得力を持ち合わせている。このバラクラーバをかぶったプロデューサーは近年デトロイトの同志を集め、Unknown To The Unknownや[Nakedlunch]といったレーベルからいくつかのシングルをリリースしている。とくに、[Nakedlunch]は彼にとっても居心地の良いレーベルのようで、2010年にリリースした「Sphere Of Influence」ではIngramの持ち味が存分に発揮され、BoddikaやTrevinoのリリース群と並んで高評価を得た。 この「NKKtwo_2 / NKKK4_2」はそれ以来となる[Nakedlunch]からの復帰リリース作だ。"NKKK4_2"ではひび割れたスネアとメタリックなシンセ・ワークがStingrayらしさをにじませているが、今回は雨にそぼ濡れたかのようなダブ・テクノの枠組みに落とし込まれている。結果として、Ingramとしては異例とも言える、穏やかなうねりを持ったテクノ的ヒプノティズムが表現されているが、その仕上がりは文句の付けようも無いほどゴージャスなものだ。"NKKtwo_2"ではクイックステップなハーフタイム・ビーツへと戻っているが、やはりそのムードは抑制されている。もちろん、パーカッションは相変わらず容赦のないものではあるのだが、重苦しいベースラインと薄く繊細なガラスのようなシンセの音色にはまったく攻撃性は感じられない。結果としてきわめて壮麗なトラックに仕上がっており、デトロイト流の未来派主義がよどみなく表現されている。
  • Tracklist
      A NKKtwo_2 B NKKK4_2
RA