Visionist - LSR005

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  • Wileyの初期シングルのひとつに"Wot Do U Call It?"(そいつをどう呼ぶ?)というものがあったが、これは同時にすなわち過去10年のUKダンスミュージックにおけるスローガンでもあり続けており、グライムやダブステップ、ハウスなどをどろどろに煮込んでパワフルなビーツを作り出そうとする現在のプロデューサーたちの姿勢を一言で表している。Visionistはその最前線ともいえる存在だろう。ベルリンの雑食的なレーベル、Leisure Systemからのリリースを足がかりにしてシーンに登場した彼は、このストレートなグライムを収めた3トラックの痛烈なEPで今再び前述の命題に挑もうとしている。 ここ最近の彼の作品と同じく、この12インチもまた単なるWiley礼賛的なものとは一線を画している。"Snakebite"はクラシックな要素をあからさまにならない程度に落とし込んでいる。しかしそのバイオレントな性格は隠し切れておらず、クレバーなパーカッション・エレメントの配置はTerror Danjah "Cock Back"からBurial "Distant Lights"へと繋がる系譜を思い起こさせる。続く"Snakes"は"Snakebite"をさらに狂乱させたかのようなヴァージョンで、虹色のようなシンセがビーツの周りを濡れたブランケットのように包み込んでいる。パーカッションを深く沈み込ませ、まるで隣の部屋から漏れ聴こえるかのように鳴らしている"Poison"はWileyの『Devil Mixes』にも近似するスピリチュアルさを孕んでおり、銃声のサウンドエフェクトは色彩豊かなシンセワークからこぼれ落ちるかのように鳴っている。すべてのトラックがひとつのテーマのもとに作られたヴァリエーションのようであるが、そもそもグライムというものはそうあり続けてきた音楽なのだ。このEPは他のどんな作品よりも雄弁に、まったくの妥協なくその事実を語っている。
  • Tracklist
      A1 Snakes A2 Snakebite B Poison