S/SS - Sicario De Dios

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  • Regis、Silent Servant、James Ruskinの3者によるコレクティブでありレーベルでもあるJealous Godはそのファースト・リリースにロマン派の宗教的イコノグラフィーを収めたブックレットと「我々は宗教そのものを擁護するのではない。むしろ、その視覚的シンボリズムとして擁護しているのだ」とする簡潔なマニフェストを添えている。しかしながら、そのミッションはこのJealous Godのファースト・リリースにおいては不必要なものにも思えてしまう。というのも、このレコードは視覚的シンボリズムというよりは遥かに聴覚的な機能性こそを持ち合わせているからだ。 Silent ServantとSvrecaがS/SSとして録音した「Sicario De Dios」には、2つの長尺のテクノ・トラックと短いドローン・ピースで構成されている。"Siglo 2"は密集したパーカッションを詰め込んだ分厚いトラック。ガスの噴出のようなサウンドが軍靴のごときドラム・グルーヴから有毒ガスを排出するかのようなアクセントとなり、冷ややかに立ち上るノイズは奇妙な脅威を演出している。急き立てるようなドラムは"Siglo 4"でも同様で、その厳粛なグルーヴがひたすら続いた後に、最終的には澱んだアンビエンスの中へと霧散していく。短いトラックも、想像をかきたてると共にツールとしての機能性も持ち合わせている。ホワイト・ノイズの噴射は"Siglo 1"の内省的なドローンを押し上げる。"Siglo 3"はより不穏で、エイリアン的な電子音がアンビエント的なチル感の中で沸騰し、不安をかき立てるようなエフェクトを与えている。
  • Tracklist
      A1 Siglo 1 A2 Siglo 2 B1 Siglo 3 B2 Siglo 4
RA