Fold - Upstairs For Thinking, Downstairs For Dancing EP

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  • UKのプロダクション・デュオHomeparkの片割れとして、Foldはすでにジューシーでオーガニックなディープハウスの作り手としての評判を確立している。彼は今年はじめにManMakeMusicからソロ・デビューを果たし、これが2作目となるのだが、ここにも彼の持ち味が詰め込まれている。これまではときおりアブストラクトな婉曲表現が見られた彼のトラックだが、この「Upstairs For Thinking, Downstairs For Dancing」においてはそれはあてはまらないようだ。 "Crumbs"は液体的で跳ねたグルーヴのテクノで、グラニュラー処理されたベースラインは階段を転げ落ちるボールのように跳ねながら落下していく。"Bun Dem"ではベースをよりリニアで不穏なムードに仕立て、ウッドブロックや鋭いスネア、押し潰されたハンドクラップを絡めている。"Dread"では光と影を表現するがごとく、ジェントルなシンセのハミングが分厚いキックのエッジを和らげている。スネアの音色にはUKガラージっぽさも感じられる。 彼自身の多様性の広さを重ね書きするかのような"Motel Dub"では、Basic Channel的なダブ・テクノに挑んでいる。堂々たる冒頭から、キャンドル・ワックスのようにビートが滴り落ち、ベースラインはリズムの隙間を繊細に出たり入ったりしながら表情を変えていく。印象的なEPを締めくくるに相応しい輝きを持ったトラックだ。
  • Tracklist
      A1 Crumbs A2 Bun Dem B1 Dread Matt B2 Motel Dub
RA