MGUN - If You're Reading This

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  • まだまだ新人でありながら、デトロイトのプロデューサーMGUNはKyle HallのWild Oats、Don't Be Afraid、そしてThe Trilogy Tapesなどのレーベル群からのリリースを通して既に話題の存在となっている。Manuel Gonzalesの音楽は、ある面では非常に古典的で、デトロイトらしいテクノとエレクトロの伝統を色濃く反映している。しかし、その溢れ出さんばかりのアナーキックさはインダストリアルやコズミックなどの未知のサウンドへの興味と相まって彼の存在を定型からはみ出させている。過去のMGUNのリリースにはアナログ的な豊かさとロウファイな粗さがせめぎあっていたが、ここ最近Trilogy TapesからリリースしたEP「The Near Future」ではよりロウファイ的な傾向が強まっていた。しかし、GonzalesのDBAからの2枚目のリリースでは少しだけ洗練されてきているように見える。 別に、このレコードに奇妙な展開が欠けているからではない。1曲目の"Hand Over Fifth"はトーンこそ明るいが病的な感覚がにじみ出ていて、か細いシンセ・コードはドラムマシーンをバックに悪戯まじりで投げ散らかされている。EP最後の"Bean Chirp"はデトロイト・テクノ的な感覚をなぞりながらも、厚いテープ・ディストーションがその輪郭をほやかし、恐怖的なバックグラウンドのドローンがその隙間を妨害している。そのほかのトラックでは、Gonzalesはよりダンスフロアー的な機能性に接近している。"Proxy"はがっしりとした、じりじりと燃えるようなアシッド・テクノで、これは時折MGUNのリリースで現れるタイプのトラックだ。今回はその好例だといえるだろう。"Tritan"もまた同様になだらかに整ったトラックだが、浮遊感のあるデトロイト調パッドがより心地よく響いている。"Jijijijij$ijijijiji"はバンギンでブーミーなエレクトロ・トラックで、彼の作品としては異例なほどストレートな仕上がりだが、それが逆に災いしてか満足度は決して高くない。"Funnel Vision"になってようやくテクノに戻り、ヒプノティックになるかならないかの瀬戸際で奇妙な曖昧さを放っているトーンを掘り下げつつ、朦朧としたダウンピッチ・ヴァージョンではその緊張感が破られ、やがて不規則に後退していく。
  • Tracklist
      01. Hand Over Fifth 02. Proxy 03. Funnel Vision 04. Jijijijij$ijijijiji 05. Tritan 06. Bean Chirp
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