Josh Wink - Balls

  • Share
  • 父親として育児に専念することで、どうやらJosh Winkは彼の20年にもおよぶキャリアを振り返る時間ができたようだ。そして、彼はこの"Balls"というトラックにおいて彼のキャリア初期の制作スタイルを見事に蘇らせているように見える。このEPに収録されているヴァージョンの中では、やはりリード・ミックスが傑出している。まさしく猛烈かつ激烈なトラックだ。 Wink自身が言うには、この「Balls(訳注:根性もしくは気概といったような意味合い)」というタイトルはDJたちにここぞという勝負どころでプレイしてもらいたいという気持ちが込められているそうだ。オリジナル・ミックスはロウで強硬なグルーヴが待った無しに襲いかかり、展開ごとにその圧力が高まっていく。Winkはこれまでにも"Higher State"や"I'm Ready"といったトラックにおいて奇想天外なブレイクを織り込むことで知られているが、この"Balls"もまたそうした名トラックに続く系譜に数えられるだろう。中盤ではそれまで鳴り響いていたドラムやアシッド・ラインが2分間にわたって沈黙してしまうのだ。ゆったりとした空間の中でカチカチとしたサウンドだけが鳴らされ、それが徐々に密度を増し、やがてすべてのサウンドがさらなる狂乱的ペースとともに戻ってくると、そこはまさしくWinkならではの爆発的なグルーヴが待ち構えている。こうした大胆な展開力は、やはりWink以外には成し得ないだろう。 他に収録されている2つのミックスはこの怪物のようなブレイクが省略されているという点を除けば、オリジナルに対してそう大きくは変わっていない。"Synth Louder"ヴァージョンはその名の通り、シンセを前に押し出したことでより幅広いリスナー層にアピールしそうだ。打って変わって"No Synth"ヴァージョンでは、察しの通りそうしたシンセを一切削ぎ落とし、特徴的な歪んだスネアが織りなす好戦的なグルーヴが際立っている。
  • Tracklist
      A Balls (Big Mix) B Balls (Groove Mix)