Samuel Kerridge - Waiting For Love

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  • ベルリン在住のアーティスト、Samuel Kerridgeは昨年Horizontal Groundからリリースしたたった一枚のEP「Auris Interna」だけで大きな話題を巻き起こした。その話題性が彼の実力に見合わないということは断じてなく、そのEPにはテクノとダークなアンビエント、ノイズが印象的に溶け合ったさまが刻まれていた。彼の2作目はRegisで知られるDownwardsからのリリースで、このレーベルはKerridgeがのめり込んできたシーンの歴史的なレーベルでもある。この「Waiting For Love」において、彼はこれまでの持ち味を遺憾なく発揮しつつ、それらをさらに一歩先へと押し進めようとしている。 このEPにおいて、Kerridgeの持つテクノらしさはさらにディープになり、根源的なディープさを秘めている。彼がRAに提供した素晴らしいポッドキャストでは推進力の中にも静謐さを落とし込む手腕を発揮していたが、その力量はこのEPでも引き継がれている。"Waiting For Love 1"では這い回るベースシンセを不均衡なほどに浮かび上がらせ、"Waiting For Love 2"ではフェイジングするノイズとサイケデリックにパンニングする摩擦音の波の中でついにビートが溢れ出す。その時計仕掛けのように正確なパーカッションはSandwell Districtの最もダークなトラックを思い起こさせるし、あえぐようなベースと軋む金属音はまさしく強烈だ。"Waiting For Love 3"もまた熾烈で強固なリズムという点ではサウンドの構成としては同様で、歪んだシンセがその中を突き刺し、Wolf Eyesもさながらのトライバルな音の粒子がこだまする。"Waiting For Love 4"はEP中もっともつかみ所のないトラックで、潰れたドラムの上を波打つようなベースラインがトレースし、目も眩むばかりのシンセが展開している。
  • Tracklist
      A1 Waiting For Love 1 A2 Waiting For Love 2 B1 Waiting For Love 3 B2 Waiting For Love 4
RA