Dadub - Preternity Remixes

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  • いまだその全容が明かされていないDadubの新作アルバム『You Are Eternity』リリース前に届けられたこのリミックス盤は、それ自体がインパクトをもたらすべく存在しているというよりは、焦らされるような感覚や知覚を見失ったかのような感覚が強い。Lucyによる"Death"のリミックスは4曲中でも異例なほどダブワイズなムードが強い。煤けたような4/4キックが敷かれているが、その全体のモーションは叩き付けるというよりはかなり野卑なものだ。オフビートのコード・スタブがクリスピーに切り込み、やがて遠くにこだましていく。Kangding Rayによる"Existence"のリミックスは空間にたっぷりと余裕を持たせながら始まり、その深い淀みの表面を掬うように勢いのあるビートが鳴り響く。両リミックス共に精巧かつ美しく仕上げられたサウンドデザインだが、それぞれのソロ・ワークに比べるとそう遠くには連れて行ってくれない。 LakkerとRroseはよりアグレッシブなアプローチをみせており、まるでビュッフェ・ダンサーが並び立っているかのようなサウンドの世界を展開しているし、よりクラブ・プレイを意識した仕上がりになっている。スナップの効いたドラムと溶鉱炉のようにうねるミッドレンジを携えたダブリンのデュオLakkerによる"Path"のリミックスは濃密なまでの肉食性で、まるで獲物に飢えているかのごとく各小節ごとに硬質な悲鳴をたてている。トラックが進んでいくと、ディレイとエコーはさらに自在に展開し、高域をパーカッシブなクリックとノイズで満たしためくるめく嵐に塗り替えていく。これまで挙げた3つのリミックスがその繊細さによって定義されたものだとすると、Rroseによる"Life"のリミックスは非常に質素きわまりないものを感じる。疎らに打たれるキックではじまり、最後にはほとんどなにも聴こえないところまで減衰していく。そのキックの隙間には黙々とした推進力が埋め込まれ、その永遠に続くかのようなモーションはすべてが加速して灼け付くようなピークに達するところで打ち破られ、その後はなにもなかったかのようにまた元に戻っていく。
  • Tracklist
      A1 Death (Lucy Remix) A2 Path (Lakker Remix) B1 Life (Rrose Remix) B2 Existence (Kangding Ray Remix)