Force of Nature - Expansions

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  • ディスコはすでに40年もの長い歴史を有しているが、その歴史の重みをはっきりと感じたいならForce of Natureを聴くべきだ。KZAとDJ Kent、2人のジャパニーズ・デュオはこの10年その独特のスタイルをひたすら研ぎすまし、マイペースなリリースを重ねて来た。DJおよびプロデューサーとしての2人はステディで緻密な構成を重んじているが、それはMuleのサブ・レーベルEndless Flightから届けられたこの魅惑的な新作ミックスCD『Expansions』にもぴったりとあてはまる。 このミックスにおける魅力は、その疾走感にある。冒頭からそこにはすでに固有のクライマックスがやって来そうで決してやって来ない感覚があるのだ(もちろん、良い意味で)。個々のレコードはシームレスにブレンドされてしっかりとしたシークエンス感を保ち、それぞれの展開が全体としてひとつの構造を成している。例をひとつ挙げるとすれば、Begin "Lay Dub"における軽やかなギターのフレーズは"Field Of Dream (Lexx remix)"での粘り気のあるより派手なグルーヴへとひと繋がりになっている。それぞれのトラックの展開は極彩色に浸され、Joakim "Labyrinth (Lone remix)"やLovelock "The Fog"の鮮やかなハーモニクスはひたすらアップリフティングで、まるで宇宙に向けて照射される眩い光線のまっただ中にいるかのようだ。Boys From Patagoniaによるイタロ調でキラキラした"Rimini '80"での高揚感に至っては、このミックスは後半に向けてどうなってしまうのだろうと案じてしまうほどだ。しかし、このデュオは巧みに展開をコントロールし、一糸乱れぬキックの波へと引き戻し、ここぞというタイミングではより抑制されたムードを引き出してみせる。 そこから彼らはふたたびビルドアップし、まずはファンク調のベース、そしてヘヴィーなキックをダイナミックに投入して"Birdshell"の分厚いリフになだれ込む。ここにはThe Revengeによるリミックス・ヴァージョンが収録されているが、Andrew Weatherallの『Masterpiece』に収録された同曲のオリジナル・ヴァージョンにも劣らぬ出来だと言っても良い。この時点でKZAとKentはこのトリップを完全にコントロールしており、"Burnin Tears"や"Mania Theme"のToby Tobiasによる熱っぽいリミックスへと優しく導いてみせる。スマートでソフィスティケートされたこのミックスは一度のみならず何度も繰り返し楽しめるものだ。
  • Tracklist
      01. Begin - Lay Dub 02. The Project Club - Field Of Dream (Lexx remix) 03. Joakim - Labyrinth (Lone remix) 04. Seahawks - Catch A Star Dunks No Drunk (Bolero mix) 05. Lovelock - The Fog 06. Brioski - Scandal Echo 07. Boys From Patagonia - Rimini '80 08. Last Waltz - Tangiers 09. Eddie C - Tunnel Mountain 10. 6th Borough Project - Estranged Lover 11. Craig Bratley - Birdshell (The Revenge Bonus Dub) 12. Compuphonic feat Marques Toliver (Sunset DJ T remix) 13. Burnin Tears - Just The Same 14. Hardway Brothers - Mania Theme (Toby Tobias remix) 15. Andy Sangria - Sanctuary of Love