Black Jazz Consortium - Codes and Metaphors Pt. 2

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  • この「Codes And Metaphors Pt. 2」は3枚のEPに分かれてリリースされるFred PeterkinことFred PことBlack Jazz Consortiumの3作目となるアルバムのEP2だ。固有のムードで統一されたEP1は「スムースでエモーショナルな」トラックをまとめたものだったそうだが、さしずめこのEP2はよりディープなトラックをまとめたものだと言えそうだ。 その官能的な深さと甘いヴォーカルが飾るこのEPの冒頭からは、後期Jazzanovaかもしくはそれをよりセクシーにしたような感覚をおぼえる。スタイルという点では、EP1と大きく変化している部分はないのだが、甘さはより控えめでさらに硬質になっている印象だ。Lady Blacktronikaによる煙たい囁きに導かれ、Aサイドの"Your Love"では柔らかなキーがスローかつステディなグルーヴの上を動き回り、ディープハウスというスペクトラムにおける最も官能的な側面を提示してみせている。"Heatrocks"では、素っ気ない持続音がブロークンなパーカッションが奏でる狂乱的なオーケストレーションの中を突き抜けていく。このEP中でも屈指のハイライトだ。Bサイドでは、Christina Wheelerの社会的な内容のスピーチが突き刺すようなパルスに乗っかり、Jus-Edが"Your Love"をより丸い質感にし新たなドラム・パターンに置き換えたディープで奇妙なリワークを披露している。 このEP2は、かつてFred P.が見せてくれた揺らぎの感覚にこそ欠けてはいるが、EP1よりも内容的には向上している。完結となるEP3ではBlack Jazz Consortiumのよりダークな側面が表現されることが予想されるが、充実したアルバムの完結を期待したいところだ。
RA