Pitto - Richklap

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  • 2008年にディスコ・カットアップ的手法をリバイバルしてヒットとなった"Sexvibe"で一躍名を馳せたPittoだが、このEPに収録された"Richklap"もまた同じ2008年に作られたトラックだという事実は興味深い。半分が水の底に沈んだかのような、素晴らしいリズムを持つこの曲は真っ暗なウェアハウス・パーティにぴったりはまるはずだ。レイヤーも丁寧に重ねられており、トラック全体で非常に良く抑制されている。Jackmateはそのリミックスにおいてさらに音数を削りつつ、グルーヴを強化している。"Dusty"は10年前位のウェストコースト・ハウスを思い起こさせ、どこかグルーヴィで夏っぽいそのトラックはSeasons Recordingsあたりからリリースされてもおかしくない。バウンシーなヴァイブとジャジーなフックが組み合わされたあたりはありきたりと言えばありきたりだが、それでも充分にフレッシュだ。Violaによる"Richklap"のリミックスは、おそらくこのEP中で最も異色なものだろう。ヴォーカルこそそのまま活かされているものの、アコースティック・ギターのサンプルの存在感に押しやられているそのさまは(別に模倣しているというわけではないのだろうが)Heaven & Earth "Prescription Every Night"のリフをどうしても思い出してしまう。
RA