Andrade - Inconditional EP

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  • ディープハウスの真髄とは、快楽性と祝祭性の境界線にこそ存在する。Andradeによるこの「Inconditional EP」はその少しだけくすんだ感覚やわざと艶を落としたその豊かな装飾性から判断するに、全体的には祝祭性に偏ったものに思える。タイトルトラックではそのジャズ・サンプルとGuruのサンプルが若干不自然な印象を受けるが、それでも実に豊かなエナジーを持ったトラックである。"The Dragon Shot"ではダークな側面が少しだけ顔を覗かせ、より展開が読みにくい。そのパーカッシブなシャッフルや崩れたダークなスポークン・ワードのヴォーカルはまるで異次元から浮かび上がってくるかのようだ。いっぽう、"Housed"と"Deep Impact"はディープなダンスフロアーの状態を見事に抽象化しており、ドライブ感と力強さにあふれているだけでなく、美しく具現化された華やかさがある。
RA