Envoy - Seawall (Ricardo Villalobos Remix)

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  • 10年以上ものあいだSoma Quality Recordingsの看板アーティストとして活躍したEnvoyは2004年にそのメロディに満ちたテクノのリリース群をぴたっと止め、それ以来その存在は謎に包まれていた(とはいえ、TUG Undergroundに最近提供したリミックスは彼の手腕がいまだ健在であることを証明していたが)。しかし、ここにきてこのグラスゴーの名門レーベルは彼が1996年にリリースした「Coallition EP」のB2に収録されていた"Seawall"にRicardo Villalobosのリミックスを加えてリイシューし、Envoyという名に再び脚光を当てようとしている。 特筆すべきは、Villalobosがそのオリジナルをほとんど変えずに尊重している点だ。どろどろとした、起伏の多いコードがかりそめの色彩を滲ませながら始まる"Seawall"のオリジナルはまさに人気のないビーチでの一日のはじまりを想起させる。Villalobosのヴァージョンもまたそうしたオリジナル固有のムードを冒頭からさっそく滲ませており、ドライヴィングなパーカッションを掻き混ぜるようにスタートして、暗闇の底から沸き上がってくるかのようなそのグルーヴを聴いただけではそれが何のリミックスか判断がつきかねるかもしれない。しかし、いったんオリジナルのメロディが姿を現し始めると、Villalobosは瞬く間にトラックを構成する要素を一本に束ねて16年前に作られたサウンド・デザインを現代にアップデートする。中盤のブレイクでいったんその結束はほぐされるが、やはりVillalobosはそのビート感を取りこぼさない。彼のアルバム『Dependent and Happy』でのアプローチと感覚がやはり着実に活かされているという印象だ。