Various Artists - Third Ear Re:Imagined

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  • そのレーベル・カタログという資産を活用するための鋭い耳を持つレーベルは数多い。しかし、ビートダウンの名門であるこのThird Earのエキサイティングな視点はその中でもとりわけ傑出している。ロンドンと東京に拠点を置くこのレーベルによる素晴らしい新作「Third Ear Re:imagined EP」は、オリジナルの意図を尊重しつつも新しい視点を注ぎ込んだ秀逸なリミックスEPだ。 まずUpperground Orchestraを例にとってみよう。Morphosis率いるエレクトロニック・ジャズ・グループはTheo Parrish "Falling Up"をカヴァーしているのだが、Parrishが彼のMPCで演奏しているようなムードをそのままライブ演奏で再現してみせている。Red Rack'emもまた、その自由な感性を発揮している。彼のここ最近のプロダクションは以前にも増して切実なものになりつつあるが、ここでもIbex "Spiritual War"でのゆったりとしたグルーヴに火をつけ、オリジナルのフィルが燃えて煙を立てているのを悪戯っぽく眺めているようなムードを醸し出している。他に収録されたリミックスもまた、水準以上の粒ぞろいだ。XDBはBenjamin Brunn "No Kicks"のそのトラックタイトルに敢えて反抗し、オリジナルの饒舌なテンションを絶妙に緩めている。 Pirahnahead "Self-Conscience"をリミックスしたLorca Musicはやや保守的なアプローチではあるが、オリジナルのサウンドを小気味よく整えてみせている。一聴の価値がある、秀逸なリミックスEPだ。