Steevio - Modular Techno Vol. 2

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  • 「まったくプランのないモジュラー・シンセでの即興演奏を、まったくのステレオ状態でダイレクトに録音して、マスタリングもしていない」とSteevio自身が語るとおり、この「Modular Techno Vol. 2」はUK屈指のアナログ・エンスージアストでありFreerotationの主催者である彼のリハーサル・テープに出自を持つ。"Heddwch"は瞑想的なムードのなかEPの初っ端を飾り、じわじわとしたベースラインが地中の虫のように地面を抱きしめる。小さなメロディの断片がきしむようにこぼれ出し、ランダムなのにどこか流れるようなフロウを生み出してく。まさしくモジュラー・シンセを用いた制作法の副産物ともいえるのだが、モジュラー・シンセというモンスターを飼いならせることができる熟練者でなければこうしたサウンドは出せないだろう。よりグルーヴの強い"Chwyldro"はザラッとしたスネアがスウィングしているが、メロディラインは非常に微細な範囲で表情を変えていく。まるでブリープ・テクノを思いきり穏やかに仕立て直したかのようだ。 "Ymuno"ではそうしたブリープ・テクノ解釈がより明確になっており、"Chwyldro"ではのっぺりとしていたグルーヴにタイトなベースラインを捩じ込み、その下に敷いたメロディとともにより自然なかたちで絡み合わせている。EP最後のトラックとなる"Teulu"はゆっくりと燃え広がるようなムードを持ち、まるで古いHessle Audioのトラックを16ビットにレンダリングしたかのように弾けて膨らみ続ける。
RA