Emptyset - Ununhexium

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  • ブリストルのデュオEmptysetは歯を食いしばらせるほど濃密なテクノとアブストラクトなノイズを組み合わせた作風を展開しており、Raster-Notonのアーティスト・ラインナップに相応しい存在と言える。Subtextレーベルをはじめとしたコンセプト性の強いリリース群で知名度を高めてきた彼らだが、眩さとダークさが同居した『Medium』を経て、ついにRaster-NotonのUnunシリーズ6作目に登場した。 『Medium』は明らかにハードエッジなテーマ性を持っていたが、それと相反するリアルなアコースティックサウンドが持つ豊かなレゾナンスを人工的な素材と対比させてもいた。ノイズが鳴り止むと、漆黒の残響が残されていた。『Collapsed』はまた異なる獰猛さを秘めており、ドライで推進力に溢れながら、ひらすらフルスロットルで駆け抜けていく。収録された4トラックは一貫したペースで統一性を持っており、前作よりもグリッド的な概念から自由になろうとする意図が荒々しく表出しているが、最後のトラックでようやく平均律的なリズムに束の間の回帰を見せる。 そのため、このEPの最もエキサイティングな瞬間は中盤に詰まっている。1曲目の"Armature"はトラウザーを震わせるほどのサブベースやフィードバックで汚しをかけたホワイト・ノイズがリズミックに暴発しているが、その硬質さ自体はさほど直感的な衝撃は感じられない。EP最後の"Wire"もデジタル・サウンドの泥沼にどっぷりと浸り込み、インパクトという点では希薄だ。しかし、大胆になったときのEmptysetは戦慄ものだ。"Collapse"は唸り悶えるようなベースラインで幕を開け、まるで生き物のように這い回る。やがてそれは堪え難いほどのピークに達し、丸みを帯びたパーカッションが乱れ打つ。さらに、"Core"は猛烈なハイライトであり、ノイズまみれのキックドラムに外科手術のようなサウンドがシンコペーションして絡まっている。