DJ Steef - The Preliminary EP

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  • クラシックなロックやディスコのリエディットを手掛けて一躍名を馳せたマルセイユ出身のプロデューサー、DJ SteefによるToy Tonics(Gommaのオフシュート・レーベル)からのデビュー盤にはじわじわと燃え広がるような、ディスコ要素たっぷりのハウス・サウンドが満載だ。 20th Century Steel Band "Heaven and Hell"(LL Cool JやSalt-N-Pepaといったクラシックなラップ・チューンでも数多くサンプルされた)のヴォーカル・サンプルを使った"Venusian Missing"はまるでTodd TerjeとTom Middletonが出会ったかのような端正なNUディスコ・トラックで、逞しく跳ねるベースラインとヘヴィーなコンガがフィーチャーされている。"Fomo Men"ではさらに構成が削ぎ落とされ、濃密なシンセが空間を支配するグルーヴに仕立て上げられている。ゆったりとしたグルーヴの"Nocturne"では、オールドスクールなディスコを彷彿とさせる2ノートのフェンダー・ローズのフレーズと重量感たっぷりのベースが存在感を主張している。 "More Lifes"ではダビーなアプローチへ転じたものの、さほど重さは感じられない。ジャジーな"Angels Behind the Bar"は机を軽く叩くようなリズムが印象的。EPの最後を飾る"Fleche"はクラシックなコズミック・ディスコ的なムードを90年代ハウス的なうねりのある、ざっくりとしたグルーヴに落とし込んでいる。
RA