Baby Prince - Nobody EP

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  • Baby Princeとはご存知の通り、Wolf+Lambの片割れにしてNico JaarやSoul Clapを発掘した敏腕A&RであるGadi Mizrahiのアーティスト名義である。ここ最近まではプロダクション面からは遠ざかっていた彼だが、その久々の新作はW+LでもDouble Standardでもなく、ベルリン/ロンドンのレーベルsomethinksoundsから届けられた。 ブロークンなビーツと包容力の豊かなベースがヘヴィにエフェクト加工されたCharles Levineの儚いヴォーカルを包み込む"Nobody"のオリジナル・ミックスは実に優れた仕上がりで、感動的なトラックだ。全編に繊細さと力強さが漲っており、捕らえ所の無いコンビネーションはこの上なく上手くはまっている。"Nobody"のリラックスしたムードに対し"He Doesn't Say it To Me"は性急な印象で、シャッフルされたパーカッションと力強いベースで一気に駆け抜けていく。 Miguel Campbellが手掛けたリミックスではビートはより角が取れ、ベースもより柔らかくなっているため、たしかに耳触りは良いが少し物足りなさも感じる。Lucky Paulによるリミックスはそうした懸念は一切必要なく、オリジナルを換骨奪胎した上でひっそりとオリジナルのエレメントを捩じ曲げ、ネオンのような輝きと灰まみれの映像的なサウンドスケープに仕立てている。そのLucky Paulも参加したボーナス・トラックはさほどエキセントリックさは希薄で、Lonely CとBaby Princeの手によるループや埃っぽいギター、ベースのアルペジオによってより調和の高い仕上がりになっている。Sasha "Watching Cars Go By"のXpanderによるリミックスを彷彿とさせるが、このトラックに込められたソウルは遥かに熱いものだ。