Lee Webster - Freaky Bitches EP

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  • 1996年にKevin McKayの手により立ち上げられたGlasgow Undergroundは90年代後半から00年代初頭にかけて、Omid 16BやDJQといったプロデューサーたちによる輝かしいハウス・レコードのリリースをコンスタントに重ねてきた。昨年このレーベルが復活を遂げて以降も、そうしたリリースの傾向はほとんど変化がなかったかのように思えたものだが、このEPはどうやらひと味違うようだ。 ある意味、この「Freaky Bitches」はLee Websterの素面でありながらも分裂症的なキャラクターが明確に反映された内容だと言うことが出来る。もちろんそれは魅力的であるという意味だ。とりわけ、あらゆるジャンルやサブ・ジャンルを軽々と乗り越えるさまは素晴らしい。 "Detroit Cheeky Things"は明るくバウンシーなトラックで、数年前にHot Naturedがリリースした"Modern Amusement"にも似たループ仕立てのソウル・エディットといった感じだ。シカゴ調のバンピーなグルーヴを仕込んだ"How We Did It"はほっそりとしたシンセが分厚いベースと慎重に組み合わせられている一方、タイトルトラックでの濃厚に匂い立つようなファンクもじつに即効性が高い。白眉は"My Fantasy"でのヘヴィーにスイングした奇妙なヴォーカル・トラックだ。もちろんダンスフロアーのためのトラックではあるのだが、このEP中の他のトラックと同じようにヴォーカル・フックと手の込んだプロダクションが実に高い次元でバランスしているのがわかるはずだ。
RA