Phase - Binary Opposition Reprocessed

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  • Phaseのストレートなトラック、"Binary Opposition"を6名のリミキサーがそれぞれ興味深くリミックスした1枚。シンプルかつマッシヴなグルーヴを持つオリジナルはここで実に多彩なかたちでリミックスされている。Ben KlockやSighaは雷鳴が轟くようなハードグルーヴに仕立てる一方、CtrlsやInigo Kennedyは断片化を試み、Peter van HoesenやPlanetary Assault Systemsは中域をメインにして引っ張る。とはいえ、こうしたざっくりとした分類はあくまでも恣意的なもので大した意味はない。 たとえばKlockによるヴァージョンはビーツの隙間をひたすら疾走するようなベースで埋め尽くしているが、その一方でSighaはベース的な要素をあえて抜き取ってよりストリップダウンされたグルーヴを追求している。Klockのリミックスに関してもっと言えば、オリジナルにはまったくなかったコード基調での中域の埋め方が耳を引くところではある。CtrlsとInigo Kennedyが手掛けたリミックスにはこうした一種のキャッチ—さはまったく存在しない。数ヶ月前にTokenからデビューしたばかりのニューカマー、Ctrlsは殴打するかのようなブレイクビーツを導入し、そこに灼け付くようなスタブとおぞましい叫び声が載せられている。たとえるなら、Perc Traxあたりを彷彿させるようなトラックだ。Kennedyのヴァージョンではうっすらと暖かなメロディ的エレメントがのぞくものの、やはり基調になっているのは不安を誘う、腐食したかのようなビーツだ。 Van Hoesenによるリミックスは奇妙なまでに平坦だ。ベースはひっそりと鳴り続けるばかりだし、高域のハイエンドは金属的というよりは羽毛でさっと撫でたかのような質感だ。しかしこのベルギー人プロデューサーならではの空間をたっぷり活かしたディテールの繊細さは相変わらずというべきで、ビーツと線の細いシンセを編み込み、その隙間が広がるごとにトラック自体が放つエナジーも強まっていく。最後のPlanetary Assault Systemsによるリミックスはあまり流動的なグルーヴはなく、ひたすら大きく粘着性の高いモチーフが鳴り続けるだけでトラック全体を通してほとんど展開らしい展開はない。