Various Artists - Modeselektions Vol.2

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  • 純粋主義者たちによって不当に過小評価され続けてきた過去数年を経て、Modeselektorとそのレーベル50 Weapons / Monkeytownは突如として時代そのものの寵児となった。その定義は冗談まじりのものに見えるかもしれないが、Gernot BronsetとSebastian Szaryの編み出したユーロ流儀のクランク・サウンドはあらゆるジャンルを呑み込む発明であった。そんな彼らによって立ち上げられたレーベルのもとに、自由な発想を持つ新旧のエレクトロニック・ミュージックの作り手たちが集まるのはごく自然とも言える流れでもあった。50 Weapons / Monkeytownはベルリン産ダブ・テクノとUKベース・ミュージック、パリジャン・エレクトロ、異型のUSヒップホップ、グラスゴーのNumbersクルーによる愛らしくも液体的なクランクといったサウンドが交錯する交差点のような存在となり、刺激的なアイデアの交換がなされてストレンジで新しい「何か」を生み出す場となっているのだ。 『Modeselektion Vol. 2』と題されたコンピレーションがMonkeytownからリリースされた(ただし、その内容は50 Weaponsのコンピレーションとされているが)。『Modeselektion Vol. 2』はエレクトロ色が薄れ、50 Weapons / Monkeytownの両レーベル所属のアーティストたちによる喧しくもメロディックな、従来のカテゴライズには当てはまらないテクノが幅をきかせている。Modeselektorらしさを簡潔に表しているトラックを挙げるのは愚かな試みかもしれないが、それでもあえていくつか選ぶとすればそれは王道かつ意地の悪さを秘めたPrefuse 73のトラックか、『Inspector Gadget』(80年代に人気を博した日米共作アニメシリーズ)のテーマ曲を初期Ed Banger仕立てにしたようなサウンドのSiriusmoの"Modern Talk"だろう。この2つのトラックは他のコンピ収録トラック以上に異端の存在感を示している。 こうしたトラックの存在感がこのコンピレーションを楽しむための基礎だとすれば、そのピークはまさしく圧倒的なものだ。いろいろと批評にさらされる機会が多いPhon.oだが、もし彼のスタイリッシュで過剰とも言えるメランコリーを好むならば彼の"Fukushima"は好きにならずにはいられないはずだ。いっぽう、ByetoneとAlva Notoによる新プロジェクト、Diamond Versionによるダウナーでメカニカルな"Mode Operator (Beispiel A)"は借り物のレザー・ジャケットにキズだらけで汚れたギターを背負い、現代のテクノにはびこるポスト・パンクやインダストリアル的な影響に対し不遜に答えているようでもある。たとえ憂鬱で意気地の悪い人でさえもFrikstailersの"Sudaka Invasor"でのズタズタに切り裂かれたデジタル・ラガには抵抗できないだろう。 もしこれらのパートを粗悪的だと感じるとしたら(シリアスな音楽ファンがModeselektorの作品を聴いて判断に困るのがまさにその点だ)、Monolakeの"Hitting The Surface (Electric Indigo Edit)"を聴いてみるべきだ。デリケートで熱帯雨林のなかでスィングしているようなブレイクビーツに彩られたアトモスフィアはこの上なくエモーショナルだ。同様に、Sound Pellegrino Thermal Teamによる"Activate"もまた非常に楽しく、サウンド的な愉楽にも溢れている。締め上げられるようなAkon的ヴォーカルが延々と絡み、チタニウムのように硬質なビーツがアクセントとなるこのトラックは、たとえるならばJustice v. Simianの"We Are Your Friends"を裏返しにしたようなトラックでもあり、ともすれば退屈になりそうなトラックをパンチの効いたエディットで息を吞むほどに美しいトラックに生まれ変わらせる好例と言えるだろう。かくも充実したコンピレーションに仕上がった『Modeselektion Vol. 2』だが、この後にはさらに50 WeaponsからShedによるニューアルバムのリリースが控えている。まさに、Modeselektorは絶好調である。