Nina Kraviz - Aus

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  • 今年はじめにリリースされたNina Kravizのデビュー・フルアルバムはアトモスフェリックでエモーショナルさに溢れたロシア産ハウスの金字塔と言ってもいい。シンク的な概念を無視したフリーキーな構造とタフなキックドラム、ピッチ変化されたフェンダー・ローズ等をまとってアルバム中でもその一際ムーディな個性を放っていた"Aus"が今回、多彩なリミキサーの手に委ねられることとなった。 元Bizarre Incにして現在Chicken Lipsを手掛けるDean MeredithことRhythm Odysseyはオリジナルに潜むヴィンテージな1987年シカゴ・ハウス的な感覚をさらに強調し抽出してみせている。非常にスマートなやり口で、Meredithはそのヴォーカルのオールドスクールな魅力を引き出し、曲がりくねったしなやかなアシッド・ベースラインと擦れたハイハットの隙間で縦横無尽に這わせている。いっぽうRekidsのボスMatthew Edwardsはオリジナルのリズムにスナップの効いたタムや痛烈なコンガを加え、その隙間にブリープやクリックを散らしている。まるでオリジナルを白黒反転させたようなサウンドだ。ニュージャージーのDJ Quはオリジナルをよりジェントルかつムーディに仕立て上げた。ヴォーカルはバスタブに沈めたり浮かべたりするようなエフェクトを加えられ、ビーツは俄に軽さを与えられて、じりじりと燃えるようなディープさを携えたダビー・ハウスといった趣だ。