- スペインのレーベルがリリースし (Esperanza)、アルゼンチン人 (Andrés Zacco) とドイツ人 (Marco Zenker) のコラボレーションによって生まれたこのEPはまさに多文化的なリリースだと言えそうだ。その背景とは裏腹に、実にシンプルかつモダンな、優れたハウスEPに仕上がっている。"Pompak"はAnton Zap的な揺るぎないドラムループと身悶えしそうなくらいにストレートなコズミック・シンセがうまく融合されている。じわじわとしたグルーヴをキープしつつ、橋の欄干を渡るような緊張感を持った地下ハウス・トラック。Bサイドの"Dave's Place"では表情豊かなシンセがより前面に押し出されており、そのシンセはトラック上を自在に動き回り、互いに折り重なりながら起伏を繰り返して随所で小さなピークを創り出していく。ドラマティックでありながらも同時にディープでもあり、シカゴハウスの流儀に忠実な部分と現代的で金属的な質感がうまく組み合わされている。