Redshape - Throw in Dirt

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  • Martynのレーベル、3024からRedshapeが意外なリリース。とはいえ、ここに収められた両トラック共に120BPMのハウスグルーヴをキープしているのでテンポ自体は問題ではない。特に"Throw in Dirt"はのっそりと滑り落ちるようなグルーヴで進み、スウィングするタムやハイハットがそのグルーヴをぶっきらぼうに掻き回す。しかしそれ以上に強烈なのはそのトラックの上で降り注ぐsoulful"や"mental"と囁く、戦慄のヴォイス・ループ。クリスピーなスタッカート気味のパーカッション・フレーズが沸き立つようなグルーヴを巡るとともに、マイナー・キーで弾かれるシンセ・メロディがEBM風味のディープハウスといった趣の不穏なムードをさらに加速させる。ざっくりとしたクラヴィネットが奏でるベースにブルージーなヴォーカル・サンプルを配した"The Land"はより落ちついたムードではあるが、その一見穏やかな表面の下にはしかし、またしてもマイナー・キーのシンセが不穏な空気を密かに醸し出しているのだ。心地よくも決して甘過ぎないハウスを好むリスナーにはまさにうってつけのレコード。
RA