Karl O'Connor - White Savage Dance

  • Share
  • ポストカード型のインサートと盟友Tony Burnhamのライナーノーツとともに届けられたこの「White Savage Dance」はSandra Electronics、Public Information FilmそしてDiversion GroupといったKarl O'Connorが過去に手掛けてきたインダストリアル・プロジェクトの未発表作を含むアーカイブ的な位置づけの作品。ここに収められた5曲はもともとすべて2000年に7インチでリリースされたものであり、Aサイドには"Clean Air"とともに、80年代に作られた"Here And Now"が2ヴァージョンで収録されている。O'Connorが初期に手掛けた作品はどれも頑なまでにロウファイな手法で作られており、その不穏なリヴァーブ、荒々しいドラムマシン、陰鬱なシンセと暗いヴォーカルは黎明期のDIYエレクトロニクスやノイエ・ドイッチェ・ヴェレ(ジャーマン・ニュウェーブ)からの影響を色濃く残していると言えよう。 Bサイドでは、"I Understand"や"A Man Has Responsibilities"といった初期Sandra Electronicsのライブ定番曲(Burnhamのライナーノーツによる)を90年代後半に再録音したものが収録されている。Aサイドに収録された曲たち同様に希少価値の高いものかどうかは不明だ(少なくとも再録音されたヴァージョンはより洗練されている)。ざらついたエコーに満ちたその曲たちで、O'Connorは異端者の絶望のようなうなり声や叫び声を上げている。そのいっぽう、Go Go Girlと名乗るライブ・ドラマーは異様な集中力でそれらを蹴散らす。荒削りな力強さと一定のリズムが組み合わさって、彼らと同時期に活躍したサイボーグ的ノイズ・バンドSix Finger Satelliteにも通じる同様の激しさを滲ませている。 もしテクノの歴史的な側面やポスト・パンクとの関連性に興味があるなら、この作品は決して無視できない作品であるし、そのライナーノーツも必読だ。そうした事実はさておき、O'Connor自身のアーティスティック表現の進化という点で見れば、彼の最新プロジェクトであるSandra Electronicsによるセルフ・タイトルの10インチや7インチ"Cubs! Do Your Best"はここに収められた曲たちよりも遥か先に行っているのも確かだ。まあ、当たり前の話ではあるが。