Tr One - Drum Dance

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  • Kenny Hanlonが立ち上げたApartment Recordsの2枚目のリリースはアイルランド出身のプロデューサーTr OneによるEP。"Drum Dance"と名付けられたそのタイトル通りドラムに偏重した内容だが、第一印象としてはユルいヒッピーのドラム・サークルのようにも聴こえ、心地よい感じで始まる。やがて3分も過ぎると、囁くようなシンセの音色がするりと忍び込み、Jus-Edの作風をちょっとだけ緩やかでオーガニックに仕立てたようにも感じさせるが、じわじわとしたスローなビルドアップはやはり予想通りといったところか(この後には2コードのフレーズが入ってくる)。リバプールのプロデューサーJohn Heckleが自身にとって初めてとなるリミックスを手掛けており、彼は"Jack Dance"をより音圧を強めたキックドラムで仕立て直している。オリジナルのメロディは力強いシンセに置き換えられ、Heckleらしいひりひりとするようなドラムと相まって凄まじいフリーケンシーで迫ってくる。いっぽう、アムステルダムのデュオJuju & Jordashは"Dub Dance"の揺らめくようなシンセを抽出してドラムをまばらに散らし、でこぼこにうねるベースラインを敷き詰めて煌めくような塊が浮かび上がるようなリミックスに仕立てている。
RA