DJ Sneak - Fabric 62

  • Share
  • 「みんな『ハウス・ギャングスターってどういう意味なんだ?』って俺に訊くんだ。ハウス・ギャングスターっていうのは、リアルにやりつづけてる奴のこと。それ以外の何者でもない。要するに、俺自身そのものってことさ」— Carlos SosaことDJ Sneakは2009年のインタビューでこう語っていた。その「リアルであること」における哲学は知っての通りSneakが作るハウス・ミュージックの核にあるものだ。彼の音楽には一切のギミックもなく、シカゴ流儀のハウスという基本にどこまでも忠実で、ストレートなものだ。フロアを直撃するドライヴィングなビーツと2小節ループのベースライン、そしてディスコ、スウィング、ソウルなどのサンプルをふんだんに使って彩りを添えられる。その基本スタイルはまったく疑問を挟む余地のないもので、彼のサウンドはほぼ世界中で支持されている。そう、それが巨大なフェスティバルであろうと、汗にまみれたウェアハウス・パーティであろうと。 当然、SneakのサウンドはロンドンのFabricにもぴったりだ。Fabricが展開するミックスCDシリーズの最新作に今回選ばれたのが、このシカゴのヴェテランだ(Sneakは90年代初期にはシカゴのGramophone Recordsで働き、そのジャック・ビート・スタイルに磨きをかけた)。そして多くの人々が予想する通り、このミックスCDには最初から最後まで混じりっ気のないピュアなSneakスタイルが貫かれている("Light It Up"、"Old School"、"Funk My Sax"、そしてなんとも魅力的な "Crack Ass" といったトラックのタイトルが並んでいるところを見ても一目瞭然だろう)。 Strip Steve and Das Glowが手掛けたオープニング・トラック "Calcium" は、ざっくりと言ってしまえばマッシブなキックがうねりながらハイハットが刻まれる、ただそれだけのトラックだ。しかしながら、この素晴らしくも効率的な簡潔さこそがこのトラックの肝であり、それはこのCDに収められた他のトラックの大部分にも同じことが言える。Darius Syrossianがリミックスを手掛けたHector Couto "Creampie" はおそろしくスウィングしているし、Christian Burkhardt & Einzelkind "Cooper" ではクラシックなディスコ・ベースラインの上で複雑に加工されたヴォーカルサンプルが重ねられている。また、DJ W!ldの "Take a Trip" も "Mushrooms" を思わせる幻想性にジャジーなコードをうまく溶け込ませている。もちろん、このミックスにおけるダイナミクスには他ならぬSneak独特のスタイルが息づいていて、そのフロウは至極滑らかなものでありつつ、ピュアなハウスグルーヴがたっぷりと注ぎ込まれている。これこそがSneakのやり方だし、僕らをはじめ多くの人々が望むSneakスタイルそのものなのだ。