Mind Fair - Kerry's Scene

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  • ウルグアイのナンバーワン・バレアリックレーベル(といっても唯一だが)であるInternational FeelはDJ HarveyやGatto Frittoが手掛けたリリースをはじめとした好調な1年を送った。その締めくくりにリリースされるのは、Prins ThomasのInternasjonalとも関係の深いBen Shentonと元Bizarre Incにして元Chicken Lipsの大ヴェテランDean Meredithの2人によるプロジェクト、Mind Fairによる(彼らが呼ぶところの)「アメリカ影響下のディスコ」だ。 リードトラックはムーグ仕立てのサイケ・ファンクに蛇行するコンガ、トリッピーなギターに彩られ、彼らの言う「アメリカ影響下のディスコ」というコンセプトも分からないではないが、実際どこがアメリカ風かはちょっと疑問だ。それでも、トラック自体は十分に魅力的なのだけれど。オランダのLegoweltが手掛けた"Kerry's Scene"のリミックスはデトロイト調のIDMといった趣で、スナッピーなドラム・プログラミングとアシッド・ライン、そしてFunk D'Void調の太いベースが組み合わされている。Theo Parrishが手掛けたSound Signatureヴァージョンでは、強いビート感はほとんど抑えられ、ほんの薄く残したパーカッションの残像とフィルターがかったシンセの断片が漂いながら、ジェントルで抑制されたままのムードでエンディングを迎える。つづく"Mind Fair"はLaurel Canyonスタイルを模した風変わりなフォーク・ロックなので、Fernandoが手掛けた"Kerry's Scene"へさっさと移ろう。アルゼンチンのDJであるFernandoが手掛けたこのヴァージョンはこのEP中でもかなりの力作と言え、アナログシンセや明瞭なパーカッション、ジバロ調のピアノ、そしてコズミックで壮大なブレイクを組み合わせた濃密なNUディスコに仕上がっている。
RA