Tornado Wallace - Part 9

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  • Lewie Dayの新作はInstruments Of Raptureからリリースされるのにまさしくうってつけだ。いつものレーベルカラーと変わらず、アルペジオやきらびやかなホーン、さえずるようなディスコ風ストリングスは雲上の響きをもたらす。この作品は若きオーストラリア人プロデューサーにとって現時点での最高傑作だろう。"Rainbow Road"はスプーンを軽くぶつけるようなサウンドのパーカッションに導かれ、Nick Chacona風のうねるようなアルペジオが彩りを添える。アルペジオはゆっくりとしたフィルターがかけられ、徐々に輪郭を変えながらふんわりとしたきらびやかさを持つストリングスと相まって新たな表情を見せる。メロドラマ的なストリングスがじわりとせり上がり、下降するコードが現れるこのトラックのピークにいたるまでは非常にゆっくりと進むが、待つだけの価値は確実にある。 The Revengeによるリミックスはオリジナルの要素をほぼ忠実に活かしつつ、ジャイアントロボ的なベースラインがさらに追加されている。非常に丹念に磨き込まれたオリジナルにおいてこうしたベースラインを足すのは、いささかやり過ぎのような気もするが、それでもアルペジオを置き換えてハイハットも効かせているのでパンチの効いたトラックを好むDJには好都合といったところだろう。Lewie Dayが手掛けたもうひとつのトラック、"Don't Hold Back"はまるでTiger & Woodsを思わせる曲だ。のっぺりとしたループ(おそらくサンプリングだろう)がフィルターをかけられつつ2分間ゆっくりと展開し、その下で鳴り続けている軋んだベース・シークエンスを包み込んでいく。終盤にきてようやくすべての要素が等しく熱を帯び、ジェントルなソウル調ヴォーカルと爪弾かれるギターが入ってくるとその熱はさらにぐっと上昇する。A面での尋常ではないテンションの高さに反して、ここでの肝はやはりベースラインだろう。