Ten Walls - Gotham EP

  • Share
  • 毎年この時期にInnervisionsからリリースされる作品は要注意だ。Ten Wellsというクリエイターはほとんどが謎に包まれているが、そのこともさらに興味をそそる。2011年にはOsunlade "Envision"、そして2012年にはRy & Frank Wiedemann "Howling"というヒットを飛ばし続けるInnervisionsにとって、このTen Wallsによる「Gotham EP」は2013年における決定打となるだろう。 乾いたクラップと敷き詰められたベースをかきわけてシルキーなパッドが滑り込む"Epos"からして、このEPは別格の存在感を放っている。穏やかなグルーヴの上では催眠的なジャズ・フレーズがこだまし、まさにInnervisionsならではのエモーショナルなハウスに仕上がっている。108BPMで刻まれる"Moag"はさらに穏やかなムードを醸し出し、ふっくらとしてうねるような303が重厚なシンセのレイヤーに重ねられて、まるでTin ManやDonato Dozzyのトラックを-8のピッチでプレイしたかのような感覚だ。これらのトラックの強烈さも、やはりタイトルトラックである"Gotham"の存在感にはかなわないだろう。その愛すべき中毒性を備えたシンセ・フレーズはシーンを越えた支持(デトロイトのMovement FestivalやバルセロナのSónarでも、このトラックが今年の両フェスティバルを代表する一曲という声が多く聞かれた)もあいまって、今年またしてもInnervisionsはサマー・アンセムを送り出してくれた。
  • Tracklist
      A Gotham B1 Moag B2 Epos
RA