RA.717 Stenny

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    24 Feb 2020
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    137 MB
  • Length
    00:59:55
  • Ilian Tapeの看板アクトによる反抗的なビート
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  • Stennyは、Ilian Tapeが2010年代を特徴付けるレーベルの1つへと成長していく時期における重要な存在だった。ミュンヘン拠点のこのレーベルにとっては皮肉にも、レーベルとしての道が開くきっかけとなったのはStennyとAndreaというトリノ拠点の2人のプロデューサーによる2013年のスプリットEP「Vostok Smokescreen」だった。また、Stennyのソロデビュー作「Solstice Deity」は同レーベルの新たなサウンドを強固にした。大きく反響するキックと入念に劣化が施されたパーカッションが、おなじみのウェアハウスを連想させるようにチューニングされ、だんだんと不安定になっていくリズムへのアプローチによって駆り立てられていくのだ。 この10年間で、Stennyの作品にはShed的なテクノ原子力潜水艦に混じってブレイクスエレクトロ、そして2ステップの要素が浮かび上がり、それが昨年のLP『Upsurge』で最高潮に達した。同作は、彼のより実験的なプロダクションが示していた、テクスチャーやアレンジメント、リズムの堪能さが、本格的なナラティブを作り上げるのに十分感性豊かであることを裏付けた。Ilian Tapeの他の重要アーティストたち同様、StennyはDJ向け12インチというフォーマットの制約から逃れた後、自身のポテンシャルを大いに発揮してみせた。 その制約に捉われない声の持ち主の感覚が、RA.717全体を通してはっきりと現れている。慎重なミキシングとジャンルに対する無邪気なアプローチとのバランスを取りながら、水で浮き上がるようなテクノやハーフタイム・ダブステップ・ミュータント、そして反抗的なルードボーイの怒りの爆発をブレンドすることによって、Stennyの雑種的なプロダクションスタイルに命が吹き込まれている。