- アンビエントDJのレッスン
- ダンスミュージックをプレイしないとなれば、DJは全く別の話になる。いとも簡単にやっているように見えるが、実はそれほど容易ではない。soldことGlenna Fitchほど上手くやってのけるアーティストはそうそういないだろう。とりわけクラブ以外の環境でそうしたDJを聴くと、体を丸めて座りたくなり、身の毛がよだたせられるものだ。
パートナーのHi-VisとのDJ名義、Farplaneとしても活動するFitchは、シカゴのsmarbarで開催されているHugo Ballの元レジデントだ。彼らはそこでミッドウェストのベストDJと共演しながら経験を積んだ。彼らのスタイルは全く独自のもので、アンビエントの雲のすぐ下でフットワークが浮かび、轟くベースラインがフィールドレコーディングと結びつく。そしてダンスミュージックは曖昧な音になりながら消散していく。
この手のDJは、入念なペース配分とレイヤリングが求められる。FitchのこのRAポッドキャストは、ドローンの深淵な一節を通ったかと思えば、親しみやすいヴォーカル主導のセクションをなぞらえ、Cruel Diagonalsの尖ったサウンドやJana Rushの幽玄なフットワークを組み込んでいる。そのキュレーションは、曲の並び順と同様に素晴らしく、Eliane RadigueやOval、Terre Thaemlitzといった生粋のエクスペリメンタル・アーティストから、MHYSAやgayphextwinといったアメリカのレフトフィールドの火付け役たちの流儀を横断。いくつかのトラックは完璧にアカデミックで、その他は純粋なDIYだ。それらをひとまとめにして、特別な聴覚体験をもたらしている。アンビエントに傾倒したミックスだが、バックグラウンド・ミュージックというわけではない。soldはこう話してくれた。「人々に物事を感じさせるのが好きなの。たとえその感情が当惑したものであっても。」
TracklistPanchasila - Canción De La Emperatriz
Strategy - Public Voyeurs
WWC - Understory Rain
MHYSA - Siren Song
Eliane Radigue - Stress-Osaka (June 1969)
Realistic Monk - Realm 2nd
Jana Rush - Lonely
Gayphextwin - Platonic Nudes
Madrugapha - Leukelunia Nights (Versión Aerolíneas Qatar)
Terre Thaemlitz - Subjective Loss, Day 83
AGF - Louhi (Finnish)
Aleksi Perälä - UK74R1407020
Cruel Diagonals - Itinerant Solitude
Oval - Schöner Wissen
Lauren Tosswill - My Home In The Year
Angel Bawit Dawid - Impepho
Carly Barton - James
Valise - Edge Condition