• Published
    Nov 21, 2016
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    163 MB
  • Length
    01:11:20
  • スローミュージック
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  • Richard Von Der SchulenburgはハンブルクのクラブGolden Pudelのクリエイティブ精神を象徴する人物だ。彼はこの場所で過去10年間に渡ってレジデントを務めてきた。今年に起こった火災被害以来、建て直しの資金を準備中のGolden Pudelは、あらゆる地元アーティストのハブとなる場所であり、"何でもあり"の音楽ポリシーにもそのことが反映されている。「ひとつのジャンルだけに人生を捧げるなんてつまらない」とVon Der Schulenburgは今回のインタビューで語っている。彼のプロジェクトRVDSはハウスミュージックに根付いたプロジェクトだが、彼の使用するレコードが王道的であることはまったくと言っていいほどなく、ダウンテンポのトラックやビートレス・トラックなどが頻繁にプレイされる。こうした冒険心が彼の音楽遍歴によって形成されたことは間違いない。90年代に複数のバンドで演奏したところからキャリアをスタートしたVon Der Schulenburgはシアター・ミュージシャンとして働いたこともある。さらに彼はコラボレーションの可能性を積極的に模索してきた(近年ではプロジェクトと同名のレーベルを立ち上げ、彼とChristian Naujoks、そして、Dialを主宰するLawrenceで結成したグループSky Walking(英語サイト)の作品をリリースした)。彼のもうひとつのレーベルIt'sでは長年にわたってFelix KubinやShari Variといった変わり種アーティストによる作品もリリースしてきたが、その作品は基本的にRVDSのショーケース的な役割を果たしている。It'sの作品をこれから聞き始めるという人には、RVDSによる2011年の傑作アルバム『Moments』を探してみてほしい(同作に収録の"Pain"は不安定なこの時代にふさわしく感じられる出色のトラックだ)。そして、11月末にリリースされる同作の続編『Shadows』も要チェックだ。どちらの作品もVon Der Schulenburgの良作を特徴づける魅力的な奇抜さに満ちている。 それと同じことがRA.547にもあてはまる。Von Der Schulenburgが今回のポッドキャストで意識したのは"スローミュージック"だそうだ。このコンセプトを実現するため、彼は非常に広範囲な選曲を行っており、ジャパニーズポップ、プログレッシブロック、デトロイトテクノ、80年代シンセミュージックが絶妙に調和する空間を構築している。 近況報告をお願いします 最近、ユトレヒトの大レコードフェアに行ったんだ。かなり悩んだ末、相当お金を使ったけど、行ってよかった。Matrixから出ているConvextionの2枚目と、Gleitzeitの"Ich Komme Aus Der DDR"っていうドイツ・ニューウェーブシーンの7インチは特に収穫だったね。あと、自分がやっているジャズバンドで、素晴らしいフロントマンJacques Palmingerのツアーに同行したよ。 今回の制作環境を教えて下さい 夏の間に自宅でレコーディングしたんだ。ヴァイナルと2台のターンテーブル、あとコンピューターに接続したミキサーを使った。 今回のミックスで意識したことは何でしたか? ゆったりと聞いて踊れる"スローミュージック"をテーマにミックスを作ってみようと思ったんだ。僕がまだ10代だった80年代に『La Boum』という映画が大流行していて、そこですごく重要なテーマだったのが、ゆっくりとした音楽で寄り添って踊る"ブルース・ダンシング"っていうスタイルだった。今回のミックスはこの映画に合うと思うな。 Golden Pudelの立て直しに向けてキャンペーンを行っていますが、現在はどのような状況でしょうか? 今年は悪いニュースが多かったけど、いいニュースもあって、Golden Pudelの場所は確保されることになった。あの場所は今、Golden Pudel基金の所有地になっていて、スターバックスとか酷いカフェになるようなことはないよ。2月の火災以来、建物の修復や建て直しを続けているけど、金銭面の状況はかなり厳しい。あの場所を購入するのにかなりの費用がかかって、建て直しにつかうお金が少なくなってしまった。そこで今は修復を支援する募金のキャンペーン(ドイツ語サイト)を行って、あらゆる人に募金を呼び掛けているんだ。 ドイツの大都市と比べてハンブルクのクラブシーンは何が違いますか? うーん、クラブはクラブだね。クラブごとに違うものだし、街とは関係ないんじゃないかな。すごく特別なクラブっていうのは限られていて、僕にとってそのうちのひとつがGolden Pudelなんだ。いろんなジャンルのアーティストをブッキングしているし、様々な個性を持つ人たちやアーティストがいるからGolden Pudelは特別な場所なんだ。 今後の予定を教えてください 2作品のリリースが控えているんだ。ひとつは僕がイタロディスコをやるときに使っているRiccardi Schola名義の初リリースでBordello A Parigiから予定している。もうひとつはRichard Von Der Schulenburg名義でハンブルクのレーベルVISから実験的なアンビエントをリリースする。ふたつはまったく違う内容だけど、僕にとってはそれがしっくりくるんだ。ひとつのジャンルだけに人生を捧げるなんてつまらないからね。
  • Tracklist
      Ecstasy Orchestra - Paradise Software - Island Sunrise Electric Light Orchestra - Another Heart Breaks Caroline K - Tracking With Close-Ups Nightless - Crazy Night (Remix) Axxess - Owls Klaus Schulze - Tango-Saty Dieter Schütz - Pegasus Rüdiger Lorenz - Excerpt from The Last Secret Of Poseidon Robert Hood - The Wheel Boards Of Canada - Gyroscope Japan Blues - Stoned Bird Codek - Tim Toum NO ZU - Medusa Beat Golden Teacher - Raveinstigator 33.10.3402 - Om Baird Remo - Yohm Larry Heard - Techno-Centric Servi - Worte Suchen Mariah - Sokokara MED - Oriental Lodge Lopez - Slave To "A"
RA