RA.539 rRoxymore

  • Published
    26 Sep 2016
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    189 MB
  • Length
    01:22:38
  • モダンな解釈によるハウスとテクノ
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  • rRoxymoreはクラブ向けの音楽を制作しDJでプレイしているが、その一方で、クラブミュージックを懐古的で保守的過ぎると感じている。彼女のサウンドを特徴づけているのは、そうしたアンビバレントな感情だ。rRoxymoreのレフトフィールド・サウンドは、ハードロック・バンドでのエレクトロニック・パーカッション演奏や、レアグルーヴやヒップホップのDJ、インスタレーション作品のサウンドトラック制作など、彼女が長年の活動の中で得てきた多様な経験に由来している。彼女は約15年前にモンペリエのガレージで音楽制作を学んだ。そのときに使用していたのは主にAkaiのS950とAtariのコンピューターだ。そして、パリでアクースマティック・ミュージック&コンポジションのコースに通った後、ベルリンに移住し、ツアーを共にしていた友人のPlanningtorockことJam Rostronが運営するレーベルHuman Levelに初期のソロ作品を提供。以降、Cómeme、Huntleys & Palmers、Nachtdigitalといったレーベルからもリリースを果たした彼女は、Macroに提供した傑作EP「Tautologies」(英語サイト)で磨きのかかった自身の音楽スタイルを披露した。さらに、Rostron、Paula Temple、The KnifeのOlof Dreijer(aka Oni Ayhun)といった錚々たるメンバーと共に、自我を排除したプロジェクトDecon/Recon(英語サイト)に参加している。 rRoxymoreのアレンジはダンスフロアを対象にしたものだが、そこには、より広範な地平を感じさせる要素が存在する。サウンドデザインにおけるサイケデリックなニュアンスによって常に新鮮な雰囲気が生まれているのだ。彼女が担当した今回のポッドキャストでも同じことが言えるだろう。クラシックなハウスとトリッピーでモダンなテクノの間にある境界線をなぞるように、魅惑のコントラストを描きながらムードと強度を多様に変化させたミックスとなっている。 近況報告をお願いします 今年の夏はライブセットやDJで忙しく過ごしたわ。あとスタジオ用に新しい機材を買ったから、それを使って全体が上手く機能するように調整しているところよ。 今回の制作環境を教えて下さい 自宅でCDJ1台とターンテーブルを使ってレコーディングして、自分のコンピューターでマスタリングしたわ。 今回のミックスで意識したことは何でしたか? 普段、私はいろんなスタイルの音楽をミックスして、流れに起伏を付けているの。今回のミックスでは、他のポッドキャストに提供したミックスよりももう少しバウンシーでパーカッシブなものにしたかったの。最近、私がプレイしているのもそういう音楽よ。 昨年のTruantsのインタビューで(英語サイト)、ダンスミュージックはクリエイティブ面でかなり保守的だと言っていましたが、どうすればそれを解消できるでしょうか? 既成概念にとらわれないアーティストで今注目している人はいますか? そうね。ここ数年、クリエイティブ面でダンスミュージックはますます保守的になっていると思うの。ある種の懐古主義のせいだと思う。再発盤だらけになっているレコード店を見るだけでも、そのことが分かるはず。シンセサイザーも同じね。多くのシンセサイザーは本当に素晴らしいんだけれど、同時に、どうして私たちはこんなにも過去にとらわれているんだろうって不思議な気持ちにさせられるの。その理由の一部は、ダンスミュージックがもはやカウンターカルチャーではなくなって、メインストリームになってきているからだと思う。ということは、これは"成長過程"の一部ってことよね。 保守的な状況に対して何ができるのか私には分からない。ダンスミュージック・カルチャーで起きていることは私たちの社会状況を映し出しているのよ。一般的に見ても、リスクを冒して新しい見方に対してオープンになることを恐れるようになっているし、音楽シーンがそんな社会から切り離されているとは思えない。だからほとんどのDJやプロデューサーが普通のことしかやらなくなっている。シーンではこんなにも現代的で高度なツールが使われているのに、みんなが今でも過去を振り返っているなんて、本当に皮肉なことね。 最近のベース/トロピカル・ミュージックシーンはクリエイティブ面で言えば、とても印象的だと言えるかもしれないけれど、それとハウス/テクノのシーンは別物だと思う。既成概念にとらわれていないものをいくつか挙げるなら、Olof Dreijerの作品とDJセット、Lena WillikensのDJセット、Paula Templeと彼女のプロジェクトDecon/Recon、あと、Matias Aguayoのパフォーマンスね。 今後の予定は? Don't Be Afraidから新しくEPをリリースするわ。11月上旬に発売されるはずよ。あと、ギグがたくさん控えているの。アムステルダムのADEに出演するほかに、11月にもう一度パキスタンのカラチに行って、Karachi Filesの関連イベントでパフォーマンスをする予定なの。Karachi Filesは、1年前にパキスタンの人たちとドイツ拠点のミュージシャン/プロデューサーが参加して行われた2週間のイベントから生まれたプロジェクトなの。昨年の5月、そのイベントに参加した人たちがベルリンのHAUに再集結して、イベントで一緒に制作していた音楽をライブバージョンで演奏するようになったの。ステージで11人のエレクトロニック・ミュージシャンが演奏するんだから、すごく楽しいわ。