RA.536 The Exaltics

  • Published
    5 Sep 2016
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    140 MB
  • Length
    01:01:06
  • 不朽のエレクトロ
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  • リアルなエレクトロは流行に左右されないということを伝えてくれる有名な一節がある。「エレクトロは常に存在し、ひそかに独自のサウンドを鳴らしている」というものだ。ここには確かに真実が含まれているように思うが、目下、エレクトロは”ひそかに”ではなく、大いに注目を集めている。ObjektやGesolten Cirkelがこれまでにない新鮮な切り口でエレクトロにアプローチしている他、DJ Stingray、E.R.P.、Versalife、Radioactive Man、そして、Heinrich Muellerなど複数の名義を使うGerald Donaldといった古株たちも見逃せない音楽をリリースし続け、Central Processing Unit、Frustrated Funk、Shipwrec、Crème Organizationといったレーベルがハイクオリティなヴァイナル作品をエレクトロ・シーンのDJたちへ着々と送り出している。 The Exalticsと、彼がNico Jagiellaと共同運営するレーベルSolar One Musicもここに加えておかなければならない。モダンエレクトロ・シーンきっての多忙な人気プロデューサーと言えばRobert Witschakowski(The Exaltics)だろう。ドイツ人の彼は生来のエレクトロ主義者で、宇宙時代の青写真を描いたDrexciyaから影響を受けたトラックを制作しているものの、それだけにとどまらず、アーティストとしての幅広さと非常にハイクオリティなリリースを通じて、数十年に渡る歴史を持つエレクトロの発展に寄与してきた。その最たる証拠として挙げられるのは、Witschakowskiが本日リリースする『Project STS-31: Spiralgalaxie』だろう(英語サイト)。Drexciyaの片割れGerald Donaldの別名義Heinrich Muellerとのコラボレーション・アルバムだ。同作は基本的に、ふたりが使用する数々の名義で作ったトラックをコンパイルしたもので、Witschakowskiの生み出す音楽を知るには格好の1枚となっている。収録されているのは、The Exaltics名義によるクラシックなエレクトロの他、Robert Heise名義の張り詰めたサウンドスケープや、CrotaphytusとしてNico Jagiellaと共に制作したけたたましいビートトラックなどだ。WitschakowskiとMuellerによるProject STS-31名義では、悪夢のような雰囲気から不気味な4つ打ちまで広大な音楽領域がカバーされている。(言うまでもなく、このことは骨太なアシッドトラックを好むWitschakowskiの一面を示している)。このアルバムを聞き終えたら、彼の膨大なバックカタログに没頭してみるといい。Bunker Records、Crème Organization、Clone、Shipwrecといったシーンを牽引するレーベルにトラックを提供する一方で、彼がJagiellaと運営するSolar One MusicはLuxus Varta、E.R.P.、Helena Hauffの他、最近話題のアーティストによる音楽をリリースすることでエレクトロファンの重要拠点レーベルとなっている。 今回のRA.536では「エレクトロは色あせない」というもうひとつの常套句の正当性が示されている。収録された音楽の多くはSolar One Musicからここ数年にリリースされたものだが、20年前にレコーディングされているように聞こえることもあれば、それほど遠くない未来からやってきたようにも聞こえるからだ。 近況報告をお願いします 今年はふたりで出演したギグがいくつかあって、直近だとベルリンのKrake Festivalに出演した。素晴らしかったよ。Emikaと一緒にパフォーマンスを行ってさ、いくつかのトラックで彼女が歌ってくれたんだ。強烈だったよ。俺は彼女の声が大好きなんだ。あとはリミックスやレーベルの仕事もしているよ。常に大忙しだ! 今回の制作環境を教えて下さい 自分のスタジオでAbletonを使ってミックスを録音した。Abletonを使うといろんな可能性が見えてきて面白い。トラック同士を組み合わせながら楽曲制作しているような感覚で、すごく楽しかった。 ミックスのコンセプトについて教えて下さい 今回のミックスは一般的なものとは違う。トラックのテンポを早くしたり、遅くしたりしたくなかったから、シンセやエフェクトを使ってサウンドラックの感じを出せるように全曲を組み合わせたんだ。別の素材やメロディなんかを使ってトラックをつなげながら自分を解放することができた。これまでとは完全に異なる手法で全部が融合していて、その過程はとても楽しいものだったよ。選曲は、Solar One Musicから何年もかけてリリースしてきたカタログの中で特に人気のトラックを紹介するものになっている。今後リリース予定のものも入っているよ。ディープでメロディアスなトラックを経て、冷たい高速エレクトロへと変化していくミックスになった。 Heinrich Muellerとの制作関係について教えてください。 彼には特別なオーラが備わっていて、それが俺にとってはすごく刺激的で面白い。彼にとって音楽とコンセプトがすべてなんだ。それ以外に余計なことは全くない。昨年、Dopplereffektの”Instinct”をリミックスしたのがすべての始まりだった。あれがあったおかげで、たくさんの名義を使って俺とGeraldのふたりで一緒にスプリットLPを作るっていうアイデアをNicoが思いついたんだ。コンピレーションみたいだけど、実際はふたりのプロデューサーしかいないっていうね。Geraldにそのアイデアを伝えたらすごく気に入ってくれてさ。ハッブル宇宙望遠鏡をテーマにすることも気に入ってくれたから、ふたりで制作に向けて動き始めたんだ。それから1年半が過ぎて遂にリリースされたってわけさ。最高の気分だよ。今回の特別なプロジェクトで彼と一緒に制作できたことを感謝している。すごく面白くて多様性のあるLPで、リスナーを宇宙の旅へ連れていく1枚になっている。 ハッブル宇宙望遠鏡をテーマにしてレコードをリリースしていくというアイデアに至った理由は何でしょうか? Nicoのアイデアだったんだ。去年はハッブル宇宙望遠鏡が25周年を迎えた年で、Nicoが関連のドキュメンタリー番組を見たんだよ。それでハッブル宇宙望遠鏡に向けて制作したレコードをシリーズ展開しようというアイデアが生まれたんだ。エレクトロという音楽は常に宇宙と強いつながりを持っていたし、ハッブルが撮影した写真は本当に素晴らしかった。シリーズに相応しいアーティストは誰だろうと考えていたら、ObjektからLuxus Vartaをおすすめされたんだ。Detroit Grand Pubahsに参加している人が新しく始めたソロプロジェクトで、彼が第一弾を担当することになった。それからGerard Hanson(E.R.P.)に第二弾を依頼したんだ。彼はコンセプトをすごく気に入ってくれたし、3年間沈黙していたE.R.P.を再始動させられたことは大きな成果だった。そして今日、Heinrich Muellerと俺のふたりで作った第三弾が遂に公式リリースになった。このシリーズを素晴らしいアーティストたちと一緒にリリースすることができて、すごく嬉しい。俺たちにとって宝物だよ。 今後の予定は? 今、いくつかコラボレーションを行っているんだ。作り始めたばかりのものもあれば、完成間近のものもある。Solar One Musicのリリース計画や楽曲制作も常に行っているよ。いつも音楽のことばかりだけど、最高だよ。俺たちはそうやって生きているし、そうやって存在しているんだ。
  • Tracklist
      Dynarec - In Your Hand (The Exaltics Remix) - Forthcoming E.R.P. - Gleaning Creation - Solar One Music Oestral - Vade Retro - Solar One Music The Exaltics - i.m.o.E.H. (Gosub Turbidity Mix) - Solar One Music The Exaltics - NGC 253 - Forthcoming Komarken Electronics - Spaciousness (The Exaltics Remix) - Solar One Music AS1 - Stomping Grounds - Solar One Music Luke Eargoggle & Johan Inkinen - The Highest High - Solar One Music Gosub - Ra Me Eyes - Gosub - Isophlux Weltwirtschaft - Invention - Solar One Music Das Muster - Resistenz - Solar One Music Das Muster - Spaetfolgen - Solar One Music E.R.P. - Ancient Light (The Exaltics Remix) - Solar One Music Crotaphytus - Corytophanes Cristatus - Further Records