RA.523 Tessela

  • Published
    6 Jun 2016
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    161 MB
  • Length
    01:10:08
  • UK屈指のプロデューサーが解き放つ衝動
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  • UKベースミュージックとして広まったシーンで生まれた音楽の多くが人気を失ってしまったのは必然だったのかもしれない。2000年代末にダブステップシーンが破綻をきたしたとき、UKのプロデューサーたちは未曽有の量のアイデアを試すことで、その状況を乗り切ろうとした。その結果、新手のハイブリッドな音楽が生まれたが、そこには目新しさだけに終わらない強度がそれほど含まれていなかった。しかし、中には例外として注目すべき者もいる。Ed RussellがTesselaとして初めて音楽をリリースしたのは、ちょうどこの時期だった。Pearson Sound、Untold、Objekt、Peverelistといった同系統のアーティストと並んで、彼が制作したトラックを聞けば現在も魅力が失われていないことが分かる。その理由が巧みな構成なのか、伝統的なサウンドに基づいた音使いなのか、もしくは単純に彼の制作技術によるものなのかは分からないが、Russellが当初の数年間で制作した音楽は、冒険的なテクノセットや現行のUKサウンドにおいても引き続き突出した存在感を放つものだろう。Punch Drunkと2nd Drop Recordsからの作品も素晴らしかったが、彼が勢いに乗るのはR&Sとサインを交わし、完ぺきとも言える3枚のEPを発表したときだ。彼は「Nancy’s Pantry」「Rough 2」「 Bottom Out」(英語サイト)を通じてオールドスクールなハードコア/レイヴ・サウンドを取り入れ、未来へと打ち放ったのだ。 しかし、彼の最大の功績は「Hackney Parrot」だろう。このEPは2013年の RA Poll: Top 50 tracks(英語サイト)にて2位を獲得した。イントロ部のシェイカーとドラムブレイクスによるセッションは現在においても暴動を巻き起こしそうなサウンドであり続けている。「Hackney Parrot」は、Russellが実兄のTrussと共同運営しているレーベルPoly Kicksから最初にリリースされたタイトルだ。休止期間を経た同レーベルは先日、Tesselaによる12インチを2枚と、Haroon MirzaとTrussによる50本のループ溝を掘り込んだ2枚組を発表した。Russellが以下で説明しているとおり、彼の音楽は徐々にテクノへ向かっており、”With Patsy”のようなトラックでは直線的なグルーヴを轟かせている。しかし、他とは一線を画す彼独特のスピリットはそこでも健在だ。 RA.523ではこの点が実際に示されている。73分におよぶミックスにはUKミュージックの影響下にあるRusselのフィルターを通したテクノが並び、彼自身を代弁するかのごとく、荒くパーカッシブでワイルドな感覚がすべて詰め込まれている。 近況報告をお願いします 引っ越し先を探しているところなんだ。音楽もたくさん制作している。ギグであちこちに移動しているから、少し休みを取ろうと思っている。Jackmasterの『DJ-Kicks』用にリミックスを1曲と、Poly Kicksから来月発表予定の「Sorbet Diving」っていう新作を仕上げたところだよ。 ミックスの制作環境を教えてください 実を言うと、今回のミックスでは使用するトラックを制作することから始めた。そうしようと思った理由は自分でも分からないけど、それが一番いいと思ったんだ。どんなミックスにしたいのか、自分の中でしっかりとしたイメージがあったから、飛行機と電車の長旅から帰ってきたあとに、それを形にできる簡単なトラックを作ってみた。そのうちの1、2曲をセットに混ぜることもできたけど、トラックは自分の頭の中にあるミックスのイメージを固めていくために使っただけ。そのあと、ずっと買おうと思っていたレコードを買って、自分にとってしっくりくるやり方でミックスしたんだ。TechnicsのSL-1210、ミキサー、それにAbletonを起動したラップトップを使ってミックスを仕上げた。 ミックスのコンセプトについて教えてください ここ数年で買っているレコードの傾向がざっくりと表れていると思う。俺がどういうプレイをしたいのか、ってこともよく分かるんじゃないかな。たくさんのリズム、パーカッション、ブレイクビーツが中心になっていて、適度に荒くワイルドにしようと思ってミックスした。今、トラックリストを見返すと、かなりUK的なサウンドを制作するプロデューサーが多いんだけど、それを意識してやったわけじゃない。ミックスを作り終えた直後に、Trussのループ溝のレコードが届いたんだ。もうちょっと早く届いていたら、たぶんこのミックスで使っていたと思う。 ループ溝に興味を持ったのはなぜですか? Richie HawtinかJeff Millsの昔のレコードがきっかけだったと思う。でも、50本のループ溝を2枚組で出すというアイデアはHaroon Mirzaのアートスタジオに行ってから思い付いたよ。彼とはいくつかのプロジェクトを一緒に取り組んでいて、あるとき、何年もかけて自分で制作してきたループ溝のレコードを大量に持っているって知ったんだ。レコーディングしてプレスしないのはもったいないって思ったから、俺たちでシリーズ展開していくことにした。正直、どういう結果になるのか分からなかったし、誰がプレイしてくれるのか謎だったけど、これまでに嬉しい反響をもらえている。さらに嬉しいのは、俺やTom(Truss)のDJセットに欠かせないレコードになっていることだ。このレコードがきっかけで、ふたりともプレイスタイルがかなり変わったと思う。リリース済みの1枚目を持っている人や、今後に予定しているリリースを買う人には、ぜひともループ溝を実際にプレイして最大限に活用してもらいたいね。俺は自分のセットへ組み込むまでに少し時間がかかったけど、上手くプレイすればそれだけの価値はあるよ。 先日、Poly Kicksからリリースされた作品や、今回のポッドキャスト、それに、Blueprintのコンピレーションに収録予定のトラックを聞くと、テクノに強い関心を示している印象を受けるのですが、実際はどうでしょうか? 最近だけじゃなくて、これまでもテクノには興味を持っていたよ。確かに俺の音楽はますますテクノに寄っていっているけど、それは試行錯誤と成長という長い過程を経ているんだ。俺の音楽にいつもテクノの要素があったのは、ティーンネイジャーのときの影響が表れているからであって、時間をかけてその本質部分を抽出してきただけの話だ。 今後の予定は? Tomと俺のふたりで、これまでとは少し違うものに取り組んでいて、たくさんの曲を一緒に作っているんだ。そのことについてもっと話したいところだけど、残念ながら今はまだ話せる段階じゃない。Poly Kicksから12インチとループ溝の2枚組をたくさんリリースしていく予定だよ。それが上手くいけば、何回かパーティーを開催するかも。
  • Tracklist
      Haroon Mirza - 50 Locked Grooves x Dreaste - 808 ladders Luke Slater - Forms DJ Skull - Cum-Up Blawan - Say What You Want To Say Balance - Listen DJ Qu - Eden James Ruskin & DVS1 - Page 1 P.A. Presents - Res*lute S.B Project x Roly Porter - Break Down In Flight Thomas Bangalter - What To Do Unknown/Rzone - Midwinter R/F - On Unknown - Mirror Tessela - Sorbet Midland - Outpost DVS1 - ECKS (think edit) Santos Rodriguez - Untitled A1 Planetary Assault Systems - Wriss Pev - Livity x Alden Tyrell - Rush H-Hotel - Heartless DJ Rush - This is My Life and This is How I Feel Haroon Mirza - 50 Locked Grooves