RA.522 Dolan Bergin

  • Published
    May 30, 2016
  • Filesize
    205 MB
  • Length
    01:29:17
  • ロンドン・ダンスシーンの重鎮によるムーディ―な選曲
  • Share
  • Dolan BerginはDJというよりプロモーターだと思われがちだ。彼はAjay Jayaramと共に、ロンドン屈指の人気を誇るパーティーThe Hydraを主催している。同パーティーは今年で5年目を迎える。2015年に行ったパーティーはロンドンでも特に話題になった。Ostgut Ton、Dekmantel、Numbers、Blueprint、Innervisionsといったレーベルのショーケースを共同開催したのだ。さらに彼はElectric Mindsを手掛ける人物でもある。パーティー兼レーベルであるElectric Mindsは今年で10周年を迎えた。一方で、長きにわたってThe HydraとElectric Mindsの原動力となってきたもののひとつにBerginによる安定したウォームアップ・セットが挙げられる。ウォームアップというアートフォームにおいて、彼が参考にしたのはTheo ParrishやFrançois KといったDJたちだ。彼らがPlastic Peopleでオープニングを務めるときには、Berginは早くから会場に訪れ、彼らが一からどのようにバイブスを構築していくのかを直に体験した。その結果、彼は自身のパーティーで土台となるムードを巧みに構築し、無理強いすることなく人々をダンスフロアに招き入れる術を習得した。 BerginによるRA podcastでは、スムーズでゆるやかな満ち引きの中、Mike Huckaby、Prince Of Denmark、Marco Shuttle、Marquis Hawkesらによる情緒豊かなディープハウス/テクノが紡がれている。 近況報告をお願いします ここ数か月はElectric Mindsの10周年パーティーの日程をまとめることと、The Hydraの5年目の計画を立てることに専念していた。今後の数年に向けて、これまでとは違う角度からアプローチをしていこうと思って、1月にAjay、Alex、俺の3人で再び集まって話し合ったんだ。才能豊かなアーティストをより広範囲にサポートするようなブッキングを進めていこうと思っている。もちろん、ずっと俺たちと一緒に成長してきたアーティストやレーベル、ブランドに相応しいプラットフォームとなる場所も提供したいと思っているよ。それを達成するために、新しいロケーションや会場、それに制作テクニックを探しているところだ。今年は再びStudio Spacesでもパーティーを開催する。ロンドンのナイトライフに携わる人たちからのサポートによって実現できたんだ。とても幸運に思っている。これまでにエキサイティングな進展がいくつかあったから、6月と7月の2か月間にわたるパーティー日程を発表するのが今から楽しみだね。 ミックスの制作環境を教えてください 自宅でターンテーブル2台とCDJ1台を使ってミックスしたものをレコーディングした。使用したE&Sのロータリーミキサーは数年前に購入したんだ。このミキサーは過剰に宣伝されまくっているけど、俺は気に入っているよ。いいミキサーだと思う。あと、お世話になっているSound Servicesのスタッフからモニタースピーカーを借りたし、ハックニーにあるCurve Pusherで、何度も使い倒したレコードをきれいにしてデジタル化してもらった。ワンテイクでレコーディングしたけど、満足するまでに何度かミックスをやり直したよ。 ミックスのコンセプトについて教えてください 自分のお気に入りのレコードを選んで、俺たちのイベントをギュッと濃縮したようなセットにしようと思いながらミックスした。ありがたいことにMr G、Frankey & Sandrino、Marquis Hawkesがリリース予定のトラックを数曲用意してくれたんだ。それ以外のトラックは長年買いためてきたレコードの曲か最近のものだよ。 Electric Mindsは10周年を迎えます。このパーティーを開催してきた立場から見て、ロンドンのナイトライフに起こった最大の変化は何だと思いますか? 最近はナイトライフに対する管理当局の保守的なアプローチの問題がメディアなどで上手く取り上げられるようになってきた。10年前のロンドンには、もっと寛容なエリアがあったけど、さらに90年代になったばかりの頃まで遡ると、この国はまだ24時間のクラブカルチャーに辿りついていなかった。俺がクラブに行き始めたときに通っていたのはイスリントンのチャペル・マーケット付近にあるParadise Clubで行われていたAWOLっていうパーティーだった。1993年の始め頃で、ハードコアがドラム&ベースに変化していた時期だ。6時以降の入場料が安くなる日曜日の朝に遊びに行っていた。そのクラブは日曜日の昼過ぎまで営業していた。そんなクラブは他にもあったよ。活気のある24時間のクラブカルチャーが存在していたんだ。10年前も同じような状況だったと思う。イースト・ロンドン中の会場を埋め尽くしたHoxton PimpsやSecretsundazeのようなパーティーで盛り上がっていたんだ。そういうパーティーは口コミで評判を呼び、新しく現れてきたアーティストをブッキングしていることが多かった。そこにはひとつ前の世代と同様のDIYカルチャーがあったし、新種のプロデューサーが小さな単発イベントを通じてファンを獲得していた。 これまでに変化したことのひとつは、最近のプロモーターの中には有名なアーティストを高額の出演料でブッキングして満足しているような人がいることだ。新しい会場やロケーションを探し出して、良質なサウンドと企画、才能のある新しいアーティストを準備することで一から構築していこうとする手腕が欠けている。最近のメディアが取り立てているアウターロンドン(ロンドンの中心地から離れたエリア)の非合法レイヴを見て、行き過ぎたことをする人たちが出てくるんじゃないかと心配になるかもしれないけど、既に行われたことを模倣するんじゃなく、新しいプロジェクトやアイデアを生み出して、法に沿ったイベントが行われていることにも目を向けないといけない。 改善の兆しもある。最近結成されたNTIAの素晴らしい仕事のおかげで政策立案者の意識が高まることにつながった。まだまだ始まったばかりで、乗り越えなければならない壁はたくさんあるけど、この業界の社会貢献を守るために立ち上がったことは称賛に値する。いくつか障害はあるけど、ロンドンは今でもあらゆるエレクトロニックミュージックを導く光であり続けている。 この十年間で幾度となくウォームアップを担当してきていますが、オープニング・セットというアートと考えたとき、お気に入りにしているDJはいますか? 最近、有名なDJがオープニング・セットを担当することは中々ないから、オールナイト・セットのパーティーがすごく喜ばれていると思う。10年くらい前、日曜日を担当していたTheo Parrishを見にPlastic Peopleに通っていた。あと、François KevorkianがDeep Spaceを開催したときも遊びにいった。序盤にかかるレコードを聞くために、しょっちゅう最前列に並んでいたよ。Plastic Peopleのセットは唯一無二だった。深みのある熟練の技術で、いろんなジャンルをカバーする長時間のウォームアップ・セットを実現していた。すごく面白いと思ったし、他の場所では聞けない独自性を感じた。よくある話で、Theo Parrishの音楽は友だちに教えてもらっていたんだけど、彼のセットでプレイされるレフトフィールドな音を聞いて、オープニング・セットは絶対にチェックすべきだなと思うようになった。 自分たちがプロデュースしたオールナイト・セットのパーティーから挙げるなら、Dixon、ÂmeのKristian、Daphni、Move D、Ben UFO、Joy Orbisonが早い時間から巧みにムードを作り上げて、最後には満員のフロアを生み出していたよ。8時間を超えるセットをプレイした後のあの光景はたまらないよ。去年の12月にはOstgut Tonのアーティストたちが素晴らしいアンビエント・セットをプレイしてくれた。普段とは違う見事なセットだったね。同じく去年、オシー島で初開催のパーティーとなったLost In A Momentのオープニングを担当したMarcus Worgullは、僕が最近聞いた中でも特に面白い音楽をプレイしてくれた。午前11時、オーディエンスは日差しを浴びながらプール脇に座っていた。そんな中で聞くRadioheadのトラックは、何か特別なものが始まろうとしていることを教えてくれた。 今後の予定は? まもなく、シリーズ開催となるアニバーサリー・パーティーがスタートするよ。まずは今週末。ロンドンのJunction 2 Festivalで俺たちが担当するステージだ。LWEはユニークな野外会場を見つけるのに相当な努力をしてきたから、M4(高速道路)の高架下でパーティーをしてどんな結果になるのか楽しみだ。Panorama Bar、Culture Box、Dimensions Festival、バルセロナのBecoolでも再びパーティーを開催できることになって嬉しいよ。初めての場所はConcrete、Farr Festival、マラケシュのOasis Festival。特に楽しみにしているのが、ニューヨークでSublimateと共同で開催するパーティーだ。それからロンドンに戻って、Jazz Caféと一緒にAmp Fiddlerをデトロイトから招いて少し違うこともやる予定。8月にはCorsica Studiosのスタッフの協力を得てMano Le Toughが知識と経験に裏付けられたスペシャル・オールナイト・セットをプレイするよ。
  • Tracklist
      Chiwax – Unknown Rawax001 – Unknown Alex Danilov - Social Memory Complex Marquis Hawkes - The Landsberger Funk Simon Hinter – Some Gnork – Larm Theo Parrish & Marcellus Pittman - Night Of The Sagitarius Owen Jay & Melchior Sultana - Days Gone By Passion For Fashion – I Won't Let You Aroma Pitch – Moments In Limbo Frankey & Sandrino – Hydrae Mike Huckaby - Wavetable 9 Mr G – Black Pepper Crab Prince Of Denmark – The Body Cut 02 Details - Unknown Young Male – Black Satin Fan Marco Shuttle – The Vox Attitude Herva – Crocodile Tears
RA